声帯を引く方向(喉を開く方向)

地声、裏声、ミックスボイス。
ガキ声、オッサン声、志村声。

すべて声帯を引く方向が違います。
人によっては「喉仏を引っ張る」の方がしっくりくるかもしれません。

専門用語で書き直すと、
内喉頭筋と外喉頭筋の連携動作で「音程」や「音色」が決まります。

内喉頭筋とは


喉仏の内部にある筋肉。
声帯筋、甲状披裂筋、輪状甲状筋、等。
主に声門の閉鎖や声帯の伸展を「実行する」筋肉群。

外喉頭筋とは


喉仏を吊っている筋肉。
胸骨甲状筋、甲状舌骨筋、輪状咽頭筋、等。
主に声門の閉鎖や声帯の伸展を「補助する」筋肉群。

外喉頭筋は喉を開き「声帯が伸展できるスペース」を作ります。
そして「声帯をどこで伸展させるのか」により声色はガラリと変わります。

音色(声種)の決定に深く関わるので、めちゃくちゃ重要な筋肉群ですが、
高音も低音も「どんな音でも出てれば良い」という考えなら、あまり気にする必要はないです。

発声筋群≒喉頭筋群


前下、前上、後上、後下。
私がよく使用している「四方向の発声筋群」とは、
外喉頭筋と内喉頭筋とその多筋群を組み合わせた、概念上の筋肉群とも言えます。

発声筋群の偏り≒個性


四方向の発声筋群を一方向に強く偏らせると、
それぞれが強烈な個性を発揮します。

前下……ヤクザ
前上……シムラ
後上……エルモ
後下……ゾンビ

チェストもヘッドもミドルも、
ポップスもロックもオペラも女声も、
私はこれら発声筋群のコンビーネーションで音色を作っているはずです。

杭をどこに打つか、二箇所か四隅か。
シートをどこまで広げるか、ハンモックを吊るす高さは。
各自が試行錯誤して、理想の声を作っていく。

例えば、

引き上げ筋(喉仏を上げるハイラリ筋肉群)が前上と後上。
引き下げ筋(喉仏を下げるロウラリ筋肉群)が前下と後下。

よくあるガキ声(子供っぽい声)だと引き上げ筋(前上と後上)が強くて、前上が優勢な状態。
もしガキ声を改善したいのなら、下側への意識、特に後下の強化。

みたいに、
発声状態から課題を導くまでは簡単です。
しかし「そこから先」が複雑かつ難解かつ流動的。

関連記事:「発声改善の過程(と罠)

発声のレベルや喉の状態は人それぞれです。
同一人物でも心や身体に引きずられて、発声バランスは刻々と変化します。

個々の状況に合わせた個別具体的なやり方まで、
文字や動画で説明している人はいないと思います。

相談 → 診断 → 提案 → 試行

延々と、この繰り返し。
発声指導や歌唱指導というのは、リアルタイムで会話できる状態(双方向)が大前提だからです。
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