呼吸法信者にご用心

呼吸法信者とは呼吸法至上主義の人。
自分がそこそこ歌えている理由を「呼吸法」だと思い込んでいる人たちのことです。
生徒に呼吸法の練習ばかりさせるのは声楽系のボイストレーナーに多い特徴だったりします。

確かに声楽家やミュージカル俳優を目指すなら必須かもしれませんが、ポップスやロックには当てはまらないような気がします。
そういうボイストレーナーは呼吸法に固執するあまり歌唱法の幅が狭く、どんなジャンルを歌っても似たような歌い方になっていたりして……。

息を限界まで止める
息を限界まで吐ききる
息を限界まで吸う

こんな感じの練習を推奨している人の音源があれば聴いてみてください。
「下手ではないけど……うーん」って感じの人ばかりだと思います。
私よりマシに歌えている人がいたら教えてください。こっそりと記事を書き直します。

彼らは呼吸法や姿勢ばかりを重視して、喉の筋肉の働きを軽視(無視)する傾向があります。
私は自分の脳筋思考を否定はしませんが、決して呼吸法を軽視しているわけではありません。
むしろ重視しているがために「呼吸法の練習とやら」を危険視しているのです。
ボイストレーナー程度の知識と経験で、手を出していい領域ではないと思っているのです。

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呼吸なんて生物にとって根本的な部分です。
吸って吐いてまた吸う。こんなものは無意識です。
人種、性別、体格により様々で、当然個人によって合う合わないがあります。
その人の身体が自然に選んでいる呼吸法にはそれなりの原因や根拠があるはずです。

呼吸法を変えたせいで下痢や胃痛が起きる人もいます。
原因に気づかずにそのまま続けて「慣れ」で改善しない場合はどうなるでしょうか。

欧米人は全員腹式呼吸なんて嘘です。
有名な外国人歌手だって胸式の人はいます。

今どき腹式呼吸を絶対視しているのは控えめに言って時代遅れです。
知識も足りないし感覚も鈍いです。他人に発声のなんたるかを教えられる素養はないと思います。

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腹式呼吸なんて誰でもできます。寝ている時の呼吸法がそうです。
歌唱時に腹式呼吸が使えない。日常生活で腹式呼吸が定着しない。
その原因は「腹式呼吸の練習とやら」を頑張っているからです。
つまりは脳や身体が芯からリラックスできていない、喉の筋力や脱力が足りないってことです。
私が何度か書いている「呼吸は意識したら負け」とはそういう意味です。

かといって、
逆方向に極端なのも良くありません。

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