ロックの才能ないの

A.エレファントカシマシ/今宵の月のように(肉食系)



B.エレファントカシマシ/今宵の月のように(草食系)



原曲を知っている人だと違和感があるのはBだと思います。
声量がしょぼい。腹から声を出せ。肺に穴でも空いてるのか。

Bは裏声寄りのほぼノーチェスト、この曲にはマッチしない歌い方です。
しかし、この一億総草食化時代。羽虫みたいな弱っちょろい声が持て囃されているのが現代です。
素人のカラオケ音源やセミプロのカバーを色々聴いてみてもBのようにしか歌えない人が大半です。
男が男らしい骨太な声を出せない。若いボーカリストの中にお手本がいない。
環境ホルモン? ゆとり教育? 女尊男卑?
いいえ、一般に普及しているボイストレーニングの多くが「B」を歌うように誘導しているからです。
これも弱国化政策なのでしょうか。もしかするとGHQの差し金かもしれません。
おのれ、許すまじSLS……! とまあ冗談はここらへんにして。
草食系の人たちが「A」を聴くと「力任せ」とか「ただの地声」という感想になりがちです。
地声で歌えるものなら歌ってみろって感じですが、宮本浩次さんならどちらの歌い方もできるはずです。

厳密にはBができないとAができているとは言えません。
ロックの根底は反抗心ですが、反抗心だけでは早々に喉が潰れます。
Bは基礎でAが応用。基礎があるからこそ健康的にロックが歌えるのです。

荒っぽい雰囲気で声量と地声感をしっかり出しつつ、できるだけ破綻なく丁寧に歌う。

実際に歌ってみれば理解できると思いますが、これは相当難しいです。
ギリギリの比率で綱渡りしているような感覚なので、慣れない人だとピッチを合わせるだけで精一杯だと思います。
地声に聴こえるミックスボイスはかなりの高等技術です。有名なプロであってもできない人はできません。
スピーチレベルの発声法とは次元が違います。優しく丁寧に歌うのは幼稚園児でもできますからね。
初めからAのように歌える人、もしくはAのようにしか歌えない人はロックの才能がある人です。
本当に地声で歌えている人はロックスターの才能がある人です。
鋼の喉まで完備しているならば、軟弱な歌い方なんて練習する必要はありません。
さっさとデビューして、日本のロックシーンに風穴を開けてください。

ロックの才能がない人はポップスを歌ってください。これが適材適所です。
ミスマッチを自覚しながらも骨太なロックがどうしても歌いたいって人は……うーん、一か八か精神だけでも「肉食系」になってください。
まずは「くだらねぇ」と呟いて醒めた顔して、ご近所を散歩してみてください。
大切なのは見せ掛けの無気力と理由のない反抗心です。
気だるそうに頭をかいて、舌打ちして空をにらみましょう。
犬に吠えられたら怒鳴り返してください。職務質問には非協力的な態度を貫きましょう。
そんな感じで三ヶ月ほど過ごせば心身ともにロック歌手としての素養は備わっていると思います。
世間体を気にする軟弱者はしっかりと喉を開いて地道にチェストボイスを鍛えましょう。

エレファントカシマシ/桜の花、舞い上がる道を(雑食系)

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