歌唱法解説:フェイク・メリスマ・リフ&ラン

fake……偽造
faker……いかさま師

歌唱技術でいうところの「フェイク」はyeahhhとかfuuuuuとかで曲の合間を埋めたり、リズムやメロディーを崩して歌うことである、と一応定義します。
個人的にはフェイクというより「フェイント」の方がしっくりきます。
相撲でいう「猫だまし」みたいな小賢しいテクニックなので、あまり多用すると聞き手の素直な感想としては「なんかムカつく」ってなります。
どれだけ歌が上手くてもナルシスティックで独りよがりな印象を与えがちです。

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久保田利伸/You were mine



あなたが「素直に歌えば?」と思ったポイント、それがフェイクです。
もしくは「こう歌いたいけど真似できない!」と思ったポイント、それもフェイクです。

A.CHEMISTRY/PIECES OF A DREAM(フェイクなし)



B.CHEMISTRY/PIECES OF A DREAM(フェイクあり)



フェイクによく用いられる「フレーズの揺らぎ」をメリスマと呼びます。
日本人に馴染み深いところでいうと「こぶし」みたいなものでしょうか。

完全に排除すると味気なく、乱発すると鬱陶しい装飾技術です。
フェイク(メリスマ)で大切なのは……。

さりげなく
やりすぎない

Stevie Wonder/If Your Love Cannot Be Moved(レッスン抜粋)



いかにも“それっぽい”やつ。
音が高いところはオク下で練習すると良いかも。

Stevie Wonder/If Your Love Cannot Be Moved(オク下移行)



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