換声点

たまに耳にする……。

高音ほど息を減らす
低音でも高音でも同じ息の量

こういった概念、私はナンセンスだと思います。
これらを強く意識するから換声点に悩まされることになるのではないでしょうか。
ここで言う「換声点」は声が裏返ったり不安定になるという「ブレイクポイント」のことです。

声域はピラミッド、声量は逆三角形。
重ね合わせて六芒星。上下の角は限界付近の「使えない声」です。

発声法を大きく変えない限り、呼気圧(声量)は高音に行くほど強くなります。
声区の変わり目で急激に上がったり下がったりするのが悪い発声の特徴だと思います。

喉のフォームが安定していれば、特に意識しなくても呼気圧はなだらかに変化します。
チェスト優位で歌っている人だとよほど大きな音程変化がない限り「換声点」には気づかないのではないでしょうか。
ヘッド優位だと急激な下降で不安定になることがあります。主な原因は強い呼気圧を引きずっているからだと思います。

閉鎖筋群や地声筋群が弱いと高音でファルセットに化けているかもしれません。
喉のフォームが不安定だと、気づかないうちに喉締めや鼻腔共鳴に依存することになります。
端的に言うと、ミックスボイスではなく「キモ裏声」を出しているということです。
これらの場合には高音になっても呼気圧は変化なしか、実際に減少している可能性があります。
そんなわけでこんな誤解が生まれるのかな、と思います。

音色が変わる、という意味での「換声点」はもちろん存在します。
叫ぶ、嘆く、喚く、ポイントということで「喚声点」の方がしっくり来るかもしれません。
ヘッドボイスは赤ん坊の声でミドルボイスは子供の声でチェストボイスは大人の声です。
作用している筋肉が違えば共鳴部位も大きく異なります。
普通の大人がヘッドボイスを発声すれば、声が変わって「当たり前」なのです。

Royal Hunt/Far Away(+1)



最高音はhiE(E5)。男性だと有無を言わさずに裏声が支配的になる領域だと思います。
頭に響かせないと出し辛い音域なので、普通の人が素直に歌えばこんな感じで声が変わります。
音程に届かせるために薄く引き延ばすことになるので、声帯が大きくて立派な人ほど声質の変化は大きくなるはずです。
下まで軽くする「ヘッド下ろし」か上まで引っ張り上げる「地声ミドル」で、換声点を誤魔化すことはできるっちゃできますが……。
全体的に不安定になったり喉に負担が掛かったりするので、あまり小細工はしない方が良いと思います。
トーマス・ヴィクストロムみたいな雲上人でも高音ではかなり声質が変わっているので、ある意味健全なことなのではないでしょうか。

苦手意識や過緊張が「ブレイクポイント」の原因かもしれません。
換声点も喚声点も、あまり気にしないようにしましょう。
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 Comments

おとうふ  

カラオケの音に負けてしまう

喉の開きを意識するようになって、お陰さまで自宅練習(話し声程度のボリューム)ではミドルで歌うことができるようになったのですが、いざカラオケに行くとBGMの音に負け、声を大きく出そうとしてしまい張り上げ発声が出てきてしまいました。
そんな状況下で喉を開こうとすると声帯閉鎖まで外れ、高音域では声が掠れる始末(^^;
長年の癖なので地道に慣れていくしかないと思うのですが、何か打開策などあるでしょうか?

2018/01/22 (Mon) 10:53 | REPLY |   

サモエド  

Re: カラオケの音に負けてしまう

>おとうふさん

楽に歌えるようになるまで、カラオケのBGMを下げてください。

声量を上げたいのなら、チェストボイスから発声を見つめ直すことをオススメします。
ずっと喉締めに頼ってきたのなら、正しい声門閉鎖に用いられるべき閉鎖筋群が鍛えられていないのかもしれません。
実際に音源を聴いていないので的外れかもしれませんが、高音発声の素養が整っていないのだと思います。

話すように歌う≠話し声程度のボリューム

小声でしか出せないのはミドルボイスではないと思います。

2018/01/22 (Mon) 12:35 | REPLY |   

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