声量の概念を疑ってみよう

声量には自信があります!

え? ジャイアンなの?
私にとっては警戒してしまう言葉です。
例えば表現したい歌唱スタイルがあったとします。

呼気の強弱+声門閉鎖の加減+その他諸々=声量

声量は手段ではなく結果です。
結果としてそのくらいの音量が出てしまう、ってことです。
同じ人間でもポップスとハードロックでは声量が違うのが普通だと思います。
人が感じる声量なんてものは曖昧で、実際のデシベルとは関係ないケースが多いです。

・息漏れの少ない発声
・高音やロングトーンが安定している
・語尾がきっちり処理されている
・ビブラートがコントロールされている

だいたいの素人さんは「声量すごい!」って思います。
まあこの辺をしっかり抑えている場合、実際に声量が出ていることも多いですが。

問題なのは……。

声量=力強さ
強い呼気=高音
張り上げ=正義!

この考えが脳や喉や身体に染み付いているパターンです。
ジャンルによって発声を変えられない。歌唱表現の幅が狭い。

何を歌っても“場違いに”音量がでかい。
ドラムや金管楽器と張り合います? それは歌手ではなく大声選手です。
ジャイアンを誉めるにはどうするか。
声量すごいね、です。

声量と音量は違う


初心者のうちはピンと来ないでしょうが。
発声が整ってくると自然に体感できると思います。

よく響く声=なんとなく説得力のある声。
小さくても通る声でもあり、聞き手に声量を感じさせる声です。
重要なのは呼気量(圧)と声門閉鎖のコントロール。

大きくも小さくも歌える。
小さな音量でも「声量感」や「パワー感」が出せる。

発声基礎力・総合力が上がってくれば、歌唱表現に伴い自然と上がる。
声量も音量も自由自在になるでしょう。

まずはチェストボイスから始めてみてください。
正しいチェストボイスを習得すると、早ければ2週間ほどで……どうなるかはお楽しみ。
正しい感覚をキープできていれば、の話ですがね。

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