発声と抑揚

歌唱表現・抑揚


抑揚。ダイナミクス。
対比法。引いた声と押した声。

抑……優しい声、引いた声、裏声、ささやき、ファルセット。
揚……激しい声、押した声、地声、張り上げ、シャウト。

ずっと「抑」ばかりだとパンチがなくて物足りない。
ずっと「揚」ばかりだと暑苦しくて堪らない。

抑揚はバランスが大切です。
最小値と最大値の使いどころを見極めること。
喉のフォームをできるだけ変えずに、最小値と最大値をスムーズに繋げることも重要だと思います。

メロはボソボソ  →  サビは張り上げ
メロはウィスパー →  サビは地声寄り

アマでもプロでも、だいたいこんな感じだと思います。
抑の中で強弱をつけるのではなく、抑(弱)と揚(強)を使い分けるのです。
でも個人的には「抑揚」はあまり気にしないようにしています。

抑揚をつける
感情を込める

こういった強い作為を詰め込みすぎると、歌が陳腐なものになってしまうからです。

抑揚は音程変化で勝手につくもの
感情は隠しても滲み出てくるもの

関連記事:「歌に心を込めることの弊害

初心者のうちは抑揚を気にしないでください。
上級者になってもできるだけ普通に歌ってください。
そもそも「抑揚」や「感情」は聴き手が感じ取るものです。
自分の歌を自分で聴いてみて「わざとらしい」と感じたら、もっと素直に歌いましょう。

秦基博/アイ



抑揚を強く意識するとこんな感じです。
悪くはないと思いますが、魂胆が見え見えで恥ずかしいというか……。
これは女の子を落とそうとしている大学生の歌い方ですね。



ちなみに、
歌に使われる「ささやき声」いわゆる「ウィスパーボイス」は意外と声量が出ていたりします。
複数の発声筋群、声門閉鎖、呼気圧……これらのコントロールが絶妙だったりで、息もあまり漏れていなかったりします。
ある程度発声が整うまではウィスパーボイスに挑戦するのは避けた方が良いと思います。
声量のない「揚」を基準としてしまうので、声を抑えて抑えて抑えた結果、喉をキュウキュウに締め上げてしまう危険性があるのです。

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