先のない発声

基本は一通りできている。
ミックスボイスも習得している。
そこらへんのインチキボイストレーナーよりも上手く歌えている。
でもその歌い方では……。

先がない!

ここまで指摘する必要があるかどうかは微妙なところなので……。
なんとなく気づいてしまっても「まあいいか」でスルーする部分なのですが……。
指導者としては喉に引っかかっている小さな棘の部分です。
まあ、一種の懺悔みたいなものですね。

DA PUMP/ごきげんだぜっ!



ボイトレを頑張った努力家タイプ。
裏声で起声して、高音でちょっと前に押し出す。
声帯を小さくしか使えていない。無難だからこそ安定感がある。
才能タイプと張り合わない限り「ごきげん」でいられる。

m.c.A・T./ごきげんだぜっ!



ボイトレ経験ほぼゼロの才能タイプ。
地声で起声して、高音で後にグイグイと引く。
声帯の使い方が偏っている。迫力はあるが安定感はない。
徐々に高音は出辛くなり「ごきげん」でいられるのは若いうちだけ。



このくらいのレベルだと本人たちはそこそこ自信があるはずです。
でも声帯の機能としては半分も使えていません。登山で言えば五合目にも達していません。
というより、そういう歌い方だと「五合目までしか」到達できないようになっています。

悪くはないけど、先のない発声だね!

これが私の本音に近いのですが、わざわざ指摘はしません。
面倒臭いわけではなくて、その人が可哀相なのです。
喉は消耗品です。多くの表現者は負けず嫌いです。
本人に先がないのを自覚してもらう前に寿命が尽きるでしょう。

プロとかアマとか関係ありません。
先のない発声には先がありません。
三年後、五年後、十年後、二十年後に後悔したくなければ……。

自分の耳を疑いましょう。
自分の喉を疑いましょう。
他人の声にも興味を待ちましょう。
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