裏声アプローチ
- CATEGORYボイストレーニング
ミックスボイス:裏声アプローチ
凡人の味方。みんな大好き裏声アプローチ。
好きな曲を裏声でひたすら歌っているだけで……。
ええっ!? 何年やっても変わらない?
半年続けて変わらなきゃ何かおかしいですよ!
裏声で適当に歌っているだけで「なんだか練習した気分になる」というのが裏声アプローチ最大の罠です。
裏声をどうにか閉鎖してミックスボイスに近づけるのが目的だと思うのですが、
まず大前提として「正しい裏声」でないとほとんど効果はありません。
なるべくなら「正しいチェストボイス」も先に習得しておいて欲しいです。
関連記事:「正しい裏声」
関連記事:「正しいチェストボイス」
【裏声アプローチのコツ】
・喉の乾燥に気をつける
・リラックスした状態で歌う
・口をあまりすぼめない
・口角をあまり上げない
・声門閉鎖は少しずつ閉める
・無理めな高音域では目を見開く
・日毎に録音して響きを比較する
A.石川智晶/アンインストール
B.石川智晶/アンインストール
C.石川智晶/アンインストール
A→B→Cの順で声門閉鎖が強くなり、ミックスボイスに近づいています。
Cのラスト十秒くらいで「ん? ミックスボイスになってるかな?」って感じです。
ここらへんが裏声偏重タイプの限界点だと思います。裏声で歌い続けても経験値が入らない状態です。
関連記事:「裏声閉鎖と地声閉鎖」
引いてダメなら押してみな!
でも押すタイミングを慎重に計らなければなりません。
裏声練習を長期間頑張ってきた人は、地声を入れようとした瞬間に拒絶反応じみた喉締めを発症する危険性があります。
このパターンの喉締めは結構根深くて、言うなれば地声と裏声の「音楽性の違い」みたいなものなのです。
とりあえずは「正しいチェストボイス」からやり直して……。
やり直すとまた「裏声の感覚」が変わってしまうので……。
ちょっと堂々巡りっていうか、そういう再構築・再調整が続きます。
どうにもならない、ってことはないですが相当面倒です。
今までの経験を「アンインストール」してもらった方が早いくらいです。
個人的にはBの状態になった時点で地声アプローチに移る(戻る)ことをオススメします。
Cまで行ってしまう人は色々とこじらせていることが多いので。
裏声を閉鎖するまでは、そこまで苦労はしないはず。だからこそ、お手軽で人気があるのです。
でも安易な方法には罠が付き物で、初心者には気づけない落とし穴がたくさん隠されています。
賢明な読者の皆さまには、このタイミングで「裏声アプローチ」を紹介した意味を察して欲しいです。