喉声ミックスボイス

喉声ミックスボイスとは


喉声なのにミックスボイス(っぽい)。
音色を狙ってあえて使っている場合は一つのテクニックですが、
この歌い方しかできない場合は、ほとんど「呪いの一種」です。

具体的なやり方は書きません。これほど「安易な方法」はないからです。
喉声ミックスでの歌い方を認識した瞬間に、喉声ミックスでしか歌えなくなる危険性があります。
欧米人の「肩こり」みたいなものです。

※少し大げさに書いていますが、カラオケを普通に楽しむくらいなら特に問題はないと思います。


【喉声ミックスボイスの特徴】


・基本的に鼻声
・高音は一応出る
・音色が限定されがち
・喉の周辺しか響かない
・響きが「上下」しかない
・自分にだけ響いて聴こえる(側鳴り)

中音喉声ミックス



高音喉声ミックス



本物の喉声ミックスはここまで響きません。
下手ではないけど退屈。エフェクトを盛らないと「リズミカルな朗読」に聴こえます。
サンプルとして極端にやっていますが、独特の残念感を再現するのが難しいです。
耳に自信のある人は、声の響きから“男女”を判別してみてください。

無理でしょ?
そう、もはや人間の声じゃないですよね?

声と響きの軌跡から個性を感じ取れない。
聴いててつまらないのはこれが理由だと思います。

喉声ミックスはどれでしょう?



まったく聴き分けられない人は「厄介な奇病」にかかっている恐れがあります。
自分の歌が上手に聴こえて、他人の歌が下手に聴こえる、という耳の病気です。

これは実体験なのですが、耳が良い(と思い込んでいる)人でも、
自分の出せる範囲の響きじゃないと聴き取れていないことが多いです。

関連記事:「聞く耳持ってる?
関連記事:「耳と喉の成長
関連記事:「発声の音色と方向

喉声ミックスの使い手は「上下」の響きしか出せていないので、
他人の歌声を聴いた時も「上下」のみで判断してしまうのです。

プロ歌手の歌声まで自分の声(響き)と同じように聴こえているため、弱点や改善点に気づくことが難しいです。
耳を通り越して頭にも少し不具合が出ているというか、耳ではなくて脳の病気に近いかもしれません。
自分では「本当にできている」という認識なので、乏しい発声感覚だけで「理想の声」を出せているという錯覚に陥ります。

喉声ミックス≒志村発声の進化形


低音から高音までスムーズに繋がる。
クリーンもデスボイスも上手に使い分けられる。
ように感じるだけ。ように聴こえる、と思っているだけ。

関連記事:「残念な発声

全部がそれなりに残念だから。
すべてが「志村ベースの発声」だから。
安易に手に入れた【みっくちゅぼいちゅ】で歌いまくった結果です。

今さら本物を見つけても、脳(シムラ)がそれを許さない。

喉声の壁は、シムラの監獄でもあります。
耳から脳に寄生し、ついには神経を支配した「スーパー志村ミックス」。
もはや音色だけでは判別困難。喉のバランス自体が「志村黄金比」。
それが喉声ミックスボイスの正体とも言えます。

上級喉声ミックス



このくらい歌えたら自信持っちゃうかも?

誰かにコツを教えちゃうかも?

だから怖いんです。

ボイトレ被害者を生み出すのは、
ボイトレ被害者に他なりません。

誰でも、簡単に、短時間で。
こういう宣伝をしているボイトレ教室が何を教えているかはお察しです。
指導者に悪気はないと思います。

彼らが見つけた最適解が、
【みっくちゅぼいちゅ】だっただけです。

関連記事:「怪しいボイストレーナー(NGワード)
関連記事