嘘も方便

腹から声を出せとか、胸を響かせろとか、うなじを意識しろとか……。

およそ科学的ではないですが、これって何のためだと思います?

発声の悪い人に正しい感覚を伝えるためです。
追随者にはそう思い込んでもらった方が都合がいいからです。
弊ブログ風に言い換えれば、前下から押し上げろ、前下に落とせ、後下を引けって感じでしょうか。

腹から声は出ない? 感覚は人によって違う?
前下? 後下? ただの思い込み?
まあ……確かに、喉声で歌っている人には理解できないでしょう。

昔から言われている感覚論やオカルト論。
これらはできている人には理解できる。できている人にしか(にも?)理解できない感覚です。
言わば「明らかにできている人」の「高確率で正しい感覚」を極端に表現したものです。
なぜ極端に表現するのか。人によって細部が微妙に違うから方向性だけを合わせているのです。

方向性が合っているのなら、多くの人々を正しい方向に導けます。
腹から声を正しく出していれば、地声系筋群が徐々に鍛えられます。
うなじを正しく意識していれば、裏声系筋群のコントロールが身に付きます。
地声系と裏声系のバランスが取れれば、ミックスボイス(よく響く声)で歌えるようになります。
先人の知恵を「嘘」と断じるのは、センスに恵まれなかった頭の良い人たちです。

錯覚=感覚
感情論⇔理論

アインシュタインが量子力学を否定した理由を知っていますか?
結局最後は好きか嫌いか、自分の世界観に都合が良いか悪いか。
発声の改善に一番時間が掛かるのは、融通の利かない頭でっかちなタイプだと思います。
地声と裏声のバランスと同じくらいに、理論と感覚のバランスを整えることが重要です。
そのギャップを埋めるのが「方便」とも言えます。オカルト要素を半ば本気で信じられるかどうかです。
今さらですが弊ブログの記事には「勘違いに近い」内容も含まれています。
中級者以下にはそう思い込んでもらった方が都合がいいからです。
個人的には「理論が後から追いつく」くらいでちょうど良いと思っています。
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