顔で歌う(目で歌う)

発声と表情筋の関係


顔を見ればわかる。
目は口ほどに物を言う。

感情と表情筋は繋がっている。
感情と発声筋群は繋がっている。
表情筋と発声筋群も繋がっている、人が多い。

繋がりが強すぎると歌に支障が出るので、
クオリティを追求する人は早めに分離した方が良いけれど……。

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初心者・初級者のうちは特に気にする必要はありません。
顔と喉の連動を逆手に取って、効率良く練習することもできたり、できなかったりします。
これはその一例です。

A.基本・脱力練習用


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ちょっとキツめの目つきですが、別ににらんでいるわけではありません。
これは「さあ、歌うぞ」って意気込んでいるイメージ。
イントロ中にカラオケモニターを眺めている目つきだと思ってください。

目元はほんの少し緊張。眼圧はほのかに上昇。
どちらかというと「地声寄りで頑張るぞ」って「構え」です。

チェスト音域……高音に行くほど目つきは険しくなる。鼻が動かなければ問題ありません。

ミドル音域……眉間にシワが入ると前上(志村筋群)が支配権を取りに来ているサイン。そこを何とか堪えましょう。

ヘッド音域……眉間が縮み鼻先が釣り上がると完全に「前上優位」の状態。シャウト系のフレーズなら問題はありません。

重要なのは眉と目の距離。喉を開くための緊張はここで維持していると思って良いです。
……本当は違うけど、今はそれでオッケーです。

サンプル画像のような「据わった目」をキープできている限り、喉はそうそう締まりません。
こんなオカルトは信じない人でも、地声寄りで歌う時には自然とこっち側の目つきになっているはずです。

B.正しいチェストボイス練習用


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眼圧はあまり上げずに、眉毛を引き下げる。
ガンをつける。怒鳴り飛ばす直前の鋭い目つきです。私は三島一八や不動明王を意識しています。
実際に真似をしてみると、力強いチェストボイス(地声)が出しやすいはずです。
ガナリ系の曲を歌っているときは自然とこの目になります。

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C.裏声練習用


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目の力は抜いたまま、目を上方向に見開く。
女子が自撮りするときの感じではなく、雑貨屋さんで面白そうなモノを見つけた感じです。
好奇心とか嬉しい驚きみたいな感情が付いてこないと喉は締まりやすくなります。たぶん。
一応裏声を出しやすい「構え」ではありますが、この目だけでは平井堅さんやEXILE系は歌えません。

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ファルセット系はAの目で出せるようになった方が色々と捗ります。
Bの目でも出せないことはないですが、顔とのギャップが激しすぎます。
Cの目で正しいチェストボイスの練習をしている初心者は高確率で間違っているので気をつけてください。



Aはヤレヤレ系、Bが肉食系、Cは草食系……。
見た目の第一印象を決めるのはダントツで「目」です。
メイクや加工をしなくても目つきが変われば人が変わったように見えると思います。
この三つ程度の変化が見られない場合は、表情筋のバランスが偏っている可能性が高いです。
表情筋の偏り、感情の偏り、発声バランスの偏り、と芋づる式に関連します。

偏っている人が多いのは圧倒的にCタイプです。ボイトレ難民(独学困難者)によくいる目つきとも言えます。
チェスト音域から目を見開いて眉も上がり放題、ミドル音域で顔をくしゃくしゃにしていると、歌声は喉声化(鼻声化)の一途を辿ります。

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これを避けたいなら「目の据わった真顔」で歌い続けることです。
多カラだと少々引かれるかもしれませんが、副作用というか、人によっては嬉しい副次効果があります。
AやB系統の目つきを心がけて正しいチェストボイス等の練習を続ければ、そのうち普段の顔つきが変わる、かもです。

具体的には、眉と目の間隔が狭くなる。目がぱっちりする。
どちらかといえばネコ科っぽくなる。

表情筋のバランスが整うという意味で、
もしかしたら、あなたの顔面が平均化(美形化)する、かもです!

慣れない感情、慣れない表情、慣れない発声。
これらが相乗効果を発揮して、色々な部分が良い感じに目覚めていくのです。

まあ、誤差の範囲内だとは思いますが、発声筋群のバランス変化よりは早く実感できるはずです。
これは独自理論なので検索しても無駄です。何にでも科学的根拠を求めてはいけません。
ちなみに私の三白眼は元々なので、そこは心配しなくても大丈夫です。

逆に各発声筋群を目覚めさせずに、表情筋のバランスが偏ったままだと……。
私の考えが正しければ、顔面の老化が早まることでしょう。

若いうちから顔が長くなっている人いませんか?

発声の偏りは、顔面の老化を助長する、かも


多くのケースでは成長じゃなくて老化(退化)です。骨格じゃなくて表情筋の問題です。
表情を正しく張り詰めないことが原因なので、マッサージやエステでは改善は難しいと思います。

喜怒哀楽、苦悶と悦楽、希望と絶望、憤怒と狂喜……。
それぞれに「浅い」と「深い」があり、いずれが欠けても顔面のポテンシャルは発揮できません。
基本的に顔と声は比例します。声が若い人は外見も若いです。声が残念な人は外見も残念です。

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ここまで脅せばさすがにチェスト練習やるでしょ? 本当にやった方がいいですよ。
早ければ早いほどいいです。顔が伸び切ってからでは「平均値」まで戻すのに苦労します。
顔面と声質を若く保ちたいのなら、喫煙と飲酒と激しい運動も控えるべきです。
他にも色々ありますが、美容関係のお話はこれくらいにしておきます。

何はともあれ、なるべく真顔で歌い続けるのが基本です。
無感情のだらけきった間抜け面ではなく、様々な感情が拮抗している「真の顔」です。

目は閉じてもいいけど、薄く笑って表情筋のバランスを取ってください。
辛くても苦しくても「ヤレヤレ」と笑ってやり過ごすべし。
目を閉じたまま険しい顔をすると「悲しみ」に偏って喉が締まりやすくなるからです。

おちょぼ口と開き眉で裏声(ヘッドボイス)を出しているのは喉締め(やや喉締め)のサイン。
おちょぼ口で裏声以外を出す分には特に問題はないと思います。
開き眉や上がり口角は「お笑い要素」なので、強いチェストボイスは出しづらいはずです。

もちろん個人差は大きいとは思いますが、こんな感じで色々調べてみると興味深い発見があるでしょう。
楽に歌える顔を研究するのではなく、真顔で歌える方法を適当に見繕ってください。

常時真顔で歌い続けるのは現実的ではないし、最終的には好きにしたらいいとは思いますが、
表情筋に「特殊な機能」をインストールすると、後々苦労するということを覚えておいてください。

喉を開いて、顔は閉じる。
今はまだ、カタルシスを溜めておきましょう。
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