正しい志村発声

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初回のレッスンで教えているのは主に「前下・後上・後下」の使い方です。
前上(シムラ筋群)に関しては使おうとしなくても勝手に動いてる人ばかりなので、他の発声筋群とは扱いが異なります。
無視、制御、あるいは抵抗……多くの場合は排除のやり方を叩き込みます。

前上発声筋群の暴走は耳と発声感覚を狂わせます。
しっかりとした土台ができるまでは邪魔にしかならないのです。
自制心が育っていないのに、癖の強い悪女と遊ぶのは危険だということです。

正しいチェストボイスの習熟に伴い、発声感覚や裏声は徐々にクリアになっていきます。
前上の発声筋群に頼らずとも、

A.Stevie Wonder/Ribbon In The Sky



こんな感じで歌えるようにはなりますが……。
なんか物足りない、野暮ったい……っていうか暗い! もっとキラキラしたい!
そういう時に「適量を守って使用する」のが「正しい志村発声」です。
正しい、いや必要悪ですね。キラキラと輝く鱗粉には、神経毒が含まれているのです。

B.Stevie Wonder/Ribbon In The Sky



遠くでセミの鳴き声が聴こえませんか?
有り体に言えば「高次倍音」とか「非整数次倍音」とか、そっち系の成分だと思います。
初めから「B」を目指そうとして妙なことになっている人が多いです。
上澄みしか聴き取れていないからヘロヘロミックスで代用しちゃうのです。

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基礎工事をすっ飛ばして細かい内装ばかりを気にしている。これでは立派な家は建ちません。
だから私は何度も何度も「まずは地質を調査しましょう」と言っているのです。

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七年間ほど土の中で過ごして、一ヶ月で青春を謳歌します。
羽化に失敗したり、落とし穴に落ちた幼虫はアリの餌になります。
空にかかるリボンとは、セミのおしっこのことかもしれません。儚いものですね。

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