歌唱エリート

スポーツエリートはだいたい野球部に入ります。
サッカーが人気になっても特に変わりはなく、甲子園はエリートの祭典です。

では歌唱エリートは? どこに入る? どのジャンルに集まっている?


歌唱エリート:演歌歌手


今も昔も、変わらずに演歌界だと思います。
エリートたちが正しい型で歌い込んでいるので、単純に発声力と歌唱力がハンパないです。
演歌を裏声で歌ってもいまいち伝わりませんから、男女ともにチェストの猛者がひしめいています。



大御所中の大御所。村田英雄先生。
強者、猛者……覚醒者のお遊び、といった感じでしょうか。
声帯の引き方が変幻自在で、とにかく強弱の幅がすごい。
身長160cmらしいのですが、歌声の迫力で偉丈夫に見えます。
注目して欲しいのは2:20~あたりの展開です。

あれ? これは? そう! 正しいチェストボイスです!

ド! キョォオオオオオオッ!

曲中で思いっきり使ってます。鳴り方が人間の声じゃないです。虎です。
この瞬発力とパワーがあれば、ロックもメタルもブルースもオペラも余裕で歌いこなせそうです。
チェストが強い、というのは「土台がしっかりしている」という意味なので、素養だけで見ると演歌歌手はオールマイティな感じです。
ただし演歌に特化しているからこその「チェストの強さ」とも言えるので、何を歌っても「演歌風」になってしまう人が多いのかな、と思います。

まあ、慣れの問題もあるでしょうね。氷川きよしさんなんかはポップス歌っても超上手いですからね。
演歌=喉声、なんてあり得ないです。メジャーどころの演歌歌手は普通にミックスボイスの達人です。

村田英雄/無法松の一生(度胸千両入り)



一応歌ってみましたが、いつもの見よう見真似が通用しません。
過去最高に難しいです。声帯の使い方はなんとなく分かるのですが……こればかりは慣れの問題ではないと思います。

欧米人の猿真似をしている限り、到達できない境地がありそうです。
そもそも「正しいチェストボイス」自体が欧米人の専売特許ではありません。
日本人の原始的な発声でもあり、我ら喉声民族に備わる強力な武器でもあるのです。

関連記事:「正しいチェストボイス

正しい喉声。エリートの喉声。超弩級の喉声。
ただの喉声や喉声ミックスは「しょぼい喉声」ってことです。
そういうことにしておけば、方向性が分かりやすい場合があります。

しょぼい喉声



喉声を避けすぎて「喉声」になっている。
特に声楽系の学習者が陥りやすい罠です。



追記:

無法松の一生(度胸千両入り)――持ち歌化への無謀な挑戦!

関連記事:「声帯を引く方向(喉を開く方向)

歌った回数はすでに100回を超えていると思います。
初見で歌ったときの違いは……。

・歌詞を暗記している
・曲を2番まで覚えている
・村田先生の表情まで真似している
・細かいコブシ(メリスマ)に挑戦している
・全体的に上(前上)の意識を追加
・低音部分を軽く出す試み
・ド!(前)キョォオオオオオオッ!(前下→後上)

村田英雄/無法松の一生(度胸千両入り)100↑



課題

やっぱりぎこちない。
もっとしなやかさが欲しい。
レガートにこだわりすぎて呼吸管理が甘い。
この曲、3番まであるらしい。

村田英雄/無法松の一生(度胸千両入り)120↑



ちょっと重め。こっちの方がそれっぽいかも

村田英雄/無法松の一生(度胸千両入り)130↑



明らかに重すぎ。正しいチェストボイスの練習用。



次は1000回を超えたあたりでお会いしましょう。
……飽きてなければ。
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