声パス

声パスとは(MtF・FtM)


声パス……声が女性に聴こえるか。声が男性に聴こえるか。
MtF……Male to Female。男性から女性へと性別移行を望む人。
FtM…… Female to Male。女性から男性へと性別移行を望む人。

一般的にはホルモン剤を投与して、性別適合手術を行うことになります。
FtMならば「声変わり」が起こるはずなので特に問題はないと思いますが、

声変わりした後の喉は、声帯整形でもしない限り(したとしても)男性のままです。
一度成長した骨や軟骨は削らない限りどうにもならないからです。また骨を削ってもあまり意味はなさそうです。
声を高くするために女性ホルモン系のサプリを飲む、みたいなことはやめておいた方がいいです。

声が女性に聴こえるかどうかは、外見と同じくらいに重要みたいなので、
私の耳と発声知識ではどうなるか、門外漢ながらに書いておきます。

とりあえずメラニー法は微妙、かもです。
有名どころなのですが、どちらかというと安易な方法だと思います。
喉締め、喉声、小声、鼻声(閉鼻声)にも陥りやすいです。

喉締め発声



こんな声は現実的ではないし、喉への負担が大きいです。
ただでさえ喉に悪いことをしているのだから「なるべく健康的な発声」をお手本にしましょう。

女性の声にしか聴こえないMtFの人が、自分の過去の音源(ややシムラー)を聴いて爆笑していました。
綺麗な女声を習得した人だと喉締めや志村ベースの発声に違和感を覚えるのではないでしょうか。

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普通に「正しいミックスボイス」を習得するのがオススメです。
女性らしく聴こえて歌も格段に上手くなる。メリットしかないです。
間に合わせの女声ではなく、魅力的な女性の声を目指しましょう。
性別を変えるくらいの一大事業をしているのだから、最後のツメまで綺麗に塗っておきましょう。



・自分の性別に違和感はない
・男としては相当強い地声
・男らしい声に誇りを持っている

あくまでも、そういう人間が出している「付け焼き刃の女声」だと認識してください。
つまりはサンプル音源よりクオリティが低いと「結構ヤバイ」ってことです。



【最低周波数「170Hz以上」が基準?】


それ以下の音だと、どんなに女声が上手くても実際の女性であっても声パスできないことがあるそうです。
mid1E(E3)が165Hzでmid1F(F3)が175Hzです。歌声としてならともかく「日常会話」としては結構厳しいと思います。

平均的な声帯サイズの男性だとハイラリンクス(喉仏が上がってしまう状態)が癖になって、全体的に鼻声になったり声質がガラついてくるのではないでしょうか。
少なくとも私の喉では、常時「170Hz以上」は現実的ではないです。

170Hz以上



170Hz以上はクリアしているはずですが、結構低めに聴こえます。
男性には聴こえない? 男っぽい女性みたいな?
これ……女性に聴こえます?

私の場合、自分の声はどうやっても女性の声には聴こえません。
半年くらい前は「誰?」って思うこともあったのですが、聴き慣れてしまうと「俺の声」になっちゃうんでしょうね。
変な方向に行かないためには「赤の他人に判定してもらう」というのが重要かもしれません。

200Hz以上



300Hz以上



こういう“ファンタジー”な方向に突っ走らないためにも。



女性っぽく話すコツ


・喉をなるべく鳴らさない
・語頭や語尾で高めの音を出す
・ウとエとオでは心持ち声量を落とす

男か女か、を意識すれば自然とそんな感じになると思います。
基音の高さが届かなくても、フォルマント操作や女性らしい抑揚でなんとかなるかもです。
前出のMtFの人も170Hz以下を気にせず使っているように聴こえました。

声帯のサイズが男性のままならば、無理をすれば不自然に聴こえるし喉も痛めます。
平均的な女性ではなく「声の低い女性」を参考にすべきではないでしょうか。
中森明菜さんの声真似とかやってみると何かヒントが得られるかもしれません。

関連記事:「中森明菜リスペクト
関連記事:「言うほどおっさんの裏声か?



【裏声寄りの女声と地声寄りの女声】


裏声



全音170Hz以上でもこれはただの裏声なので、男性もしくは性別不詳に聴こえているはずです。
もしこれが「女性的」に聴こえているようだと、この先は苦難の道だと思います。

A.裏声ミックス



B.裏声ミックス



A.地声ミックス



B.地声ミックス



音の高さや声の強さが変わっているだけで、使っている発声筋群に大きな違いはないはずです。

Aを出したいのにBの要素が勝手に混ざる。
だから声がこもったり、ガラついたり、滑舌がおかしくなったりする。

AとBを構成している主要素は同じなのである意味で当然。しかし必然ではありません。
基本的には同じだけと「厳密」には違います。その厳密の部分が「大違い」なのです。

Bが出せるということは、B用の筋肉群と神経、付随する細かい部分までを制御できているということ。
ここまで強く出す必要なんてありません。だいたいの感覚と方向性が掴めればそれでオッケーです。
まったく出せないのはダメ、一応出せるけどあえて使わないことが大切です。

言うまでもなく、地声と裏声は相乗関係です。
不純物が消える、という意味で、AとBもそれぞれ相乗関係にあります。
地声と裏声、男と女、どちらを選ぶ、ではなくて全部やった方がいいです。

女性の地声から見ると男性の地声は「裏声」とも言えます。その逆もまた然りです。
すべての発声筋群がバランス良く稼動しているのなら、最低音170Hz以上の維持も楽になるかもしれません。
前にも似たようなことを書きましたが、男の使い方を覚えなければ女の真似は難しいと思います。

関連記事:「声帯を引く方向(喉を開く方向)
関連記事:「地声も裏声も結局同じ



【声パスのために声を高くしたい?】


声のバランスを“なるべく”自然に上擦らせる方法です。
一通りの努力を尽くして「まだ足りない」人向けなので「とりあえず」の人が真似すると危険です。

A.ヘロヘロミックス



B.ヘロヘロミックス



声真似自体は比較的簡単だと思いますが、適当に上辺だけ真似していると弊害が大きくなります。
練習態度としては「半笑い」でいいので「闘争心」や「狂気」みたいなものを声に滲ませてみてください。
このカテゴリーに限らず少々癖のある台詞を使っていますが、それぞれのフレーズには一応意味があるのです。

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喉に違和感が出たら即刻中止。
ハイラリの前上メイン(シムラベース)は「上擦った男声」の特徴です。
正しく声真似できていたとしても、やり過ぎに注意してください。



【総評】

MtFの人はまず「正しいチェストボイス」が出せるかどうかを試してみてください。
FtMの人は「正しいチェストボイス」方面の練習を続けていれば声質は男らしくなると思います。

関連記事:「正しいチェストボイス

まあ、色々書いてみましたが……。
専門の知識があるわけではないので、本気で取り組んでいる人は半分ネタとして聞き流してください。
でも声帯を整形する前にボイトレやってても損はないと思います。
また声帯を整形した後でもボイトレやらなきゃそれっぽくは聴こえないかもです。
普通のボイトレだと「ヘロヘロミックス」で終わっちゃう場合が多いので、取捨選択をしっかりとやって慎重に進んでください。

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