地声も裏声も結局同じ

地声と裏声は基本的に一緒


声帯が薄く引き延ばされる(伸展する)ほど、声の音色は裏声(ファルセット)に近づきます。
日本語は喉締め言語とはいっても、話し声の段階からまったく喉が開けていないってことはないです。
それでは、日常生活で「話し声に必要な伸展分」を主に賄っている「発声筋群」はどこでしょうか?

前上? 前下? 後上? 後下?

そんなものは人によって違いますし、複数筋群のコンビネーションで話し声を出している場合もあります。
シムラーでも話し声は違ったりします。歌おうとすると前上(シムラ筋群)が暴走しちゃうってだけで。

話し声=地声

という考え方だと、どこの発声筋群を使っても「地声」を出しているということになります。
なので話し声で使っていない発声筋群はすべて「裏声系筋群」ってことになります。
各人によって「地声」と「裏声」の概念や感覚は異なっていて当然なのです。

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だからこそ、自分の地声を自己判断するのは危険なのです。

地声はその人の個性だし、人生でもあります。
ただ前上(シムラ)と後上(エルモ)を「歌用の地声」として使おうとすると、
癖が強くなったり、引き代(伸び代)が少なくなったりするので避けた方が良いのです。

地声≒裏声
地声系筋群≒裏声系筋群
前上≒前下≒後上≒後下

こういうことです。発声も歌声も本来は自由なのです。
自分のセンスで基点を決めて、好きにやればいいのです。
でも「ポップス」や「ロック」や「ブルース」をそれっぽく歌いたい人が多いだろうから、
私の枠に当てはめてゴチャゴチャと妄言を吐いているわけです。

実際のところ、チェストボイスは「やり直すもの」ではないのです。

日常会話で前下(ヤクザ)を使っていない人にとっての「正しいチェストボイス」は「裏声の練習」とも言えるからです。

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