声を瞬時に切り替える

目を見開いた瞬間に、
まぶたを伏せた瞬間に、
かつらを被った瞬間に、
付け歯を装着した瞬間に、
サングラスをかけた瞬間に、
蝶ネクタイをいじった瞬間に、

人が変わったようにガラリと声質が変わる。
発声筋群や喉周りだけではなく、脳や神経が瞬時に「別人」になっている。
喉(声)の自在即応性が高い。モノマネや歌が上手い人の特徴です。

fhána/ワンダーステラ(原曲キー→オク下→2オク下)



声域がスムーズに切り替わっているか。
それに対応して声の響きの位置が変わっているか。
中の人が同じだったり、前の人を引きずっていないか。

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何が苦手か、どこに対応できないか。
声真似して、自分の弱点を確かめてみてください。
まったく再現できない人は「ゆっくり」から始めてください。

ここまで極端なのはちょっと現実的ではありませんが、
これに近いことをプロ歌手や歌ウマさんは一曲の中で「歌唱表現」として自然にやっています。
どれだけリズムや音程が正確でもこの要素が足りない限り「棒歌い」等の謗りを受けることになるでしょう。

手を替え品を替え声を変え、聴き手の注意を引こうとする。

な、なんだこいつ……!

こう思ったら人は足を止めます。発声者に耳を傾けます。
ストレート勝負や一本調子が許されるのは、奇跡的に恵まれた声質を持っている人だけです。

なんだよ、こいつ……

凡庸な声質の人がずっと同じ調子で歌っているから「もう勘弁」ってなるわけです。

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