声帯ポリープ量産世代?

正しい発声に聴こえても、
喉に負担はなさそうでも、
気持ち良さそうに歌えていても、

無理な高音域を歌い続けたり、適切に喉を休めなかったり、
そんな無茶を続けていれば確実かつ不可逆的に声帯は劣化します。
以前みたいな「力強い声」や「澄んだ声」が出せなくなります。

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プロ歌手として通用するのは「偏った声」です。
良い意味で、ある程度偏っているから「個性」のある歌声になります。

“同じところ”が繰り返し接触して疲労して劣化してタコができます。
そのタコさえ取ってしまえば少なくとも「怪我」は治っているのだから、悪いことではなさそうですが……。

手術をきっかけに声質がガラリと変わってしまう……よくあるケースです。
声帯結節や声帯ポリープを切除しても「元に近い声」に戻るかどうかほぼギャンブルです。

無意識に「傷跡」を庇ってしまうために発声法が変わってしまう?
トラブルを再発させないために「今までの発声法」が封印される?
結節やポリープが「錘」や「ストッパー」となって「唯一無二の個性」になっていた?

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一時的には歌声がクリアになったり、スタミナが持つようになるかもしれませんが、
長期的には声の「個性」とか「魅力」が曇ってしまう歌手が多いような気がします。

難曲。高音曲。超高音曲。特にボカロ世代(?)が作った曲に要注意です。
不幸にもミックスボイスなんかに興味を持ってしまった若者が、そんな曲を歌いたがるものだから……。

ずっと高い。高音に超高音を繋ぐ。喉を休めるところがない。
やたらと早口。歌詞が詰まりすぎ。息継ぎするところがない。
これらを複合してくる。人間の言葉の作り方を理解しているとは思えない。

酸欠に陥りながら、喉を締めて超高音を張り上げる

こんなん最悪やん。そりゃあポリープもできるわ。
リストカットとかロシアンルーレットしてる人を眺めている気分です。
でもスリルを求めているわけじゃなくて、危険性を認識していない人が大半だと思います。

若いうちだけ許される歌い方、みたいな表現ありますが、
中高生の喉でも普通に「再起不能」になりますからね。

怪我はそのうち治りますが、声が元に戻るかはわかりません。

後に悔やむことがないのなら、後で悔やむと書きはしないのです。

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