発声法分析:稲葉浩志(B'z)

日本を代表するロックボーカリスト、B'zの稲葉浩志さん。
岡山県津山市のご出身。ご実家は化粧品店。
お兄さまは地元で和菓子店を経営しているそうです。



プロデビュー前、大学時代でしょうか。

強いのは「前下」。ハイトーンで「前下⇔後上」。
地声を引き摺り回しているのでかなりハスキーに聴こえますね。

前上があまり稼動していませんが、これはこれで完成しています。

この高音曲をミドルボイスで突っ切れるパワーボーカルは、
日本はもとより世界を探してもそうそう見つからないでしょう。

この顔で、この声。
こ、この人……絶対売れる!



B'z初期(?)。

強いのは「前下」。ハイトーンで「前下⇔後」。
使用音域に比べるとチェストがやや重過ぎるかもしれません。

少し頑なな歌い方というか、上側(前上・後上)の響きを嫌っている感じがします。
稲葉さん的にはシムラやエルモの誘惑と戦っている時期かもしれません。

売れすぎてライブが重なるとちょっと心配かも……って感じです。



B'z中期(?)。

強いのは相変わらず「前下」ですが、
高音域でヘッドボイスコンビ(前上⇔後下)が(勝手に?)別働している感じです。

これは声が軽くなっているのではなくて、ミドルボイスとヘッドボイスを同時に発声している、に近い状態です。
ハイトーンを頑張りたいけど、シムラ(安易な方法)には頼りたくない。

そうは言っても浩志クン、喉潰しちゃうよ。
僕たちにも少しは頼ってよ(シムラ&エルモ)。

関連記事:「ヘッドボイスとミドルボイス、どっちにも聴こえる声?

意識無意識は別にして、発声筋群の稼動率が常時高い状態。
声質としてはたぶん、この頃が全盛期とか黄金期とか呼ばれているのではないでしょうか。

野生的なイケメンとヒステリックな老婆。
ほぼ二人分の声の響きが絡み合っているので、それはそれは魅力的に聴こえているはずです。

でも、長くは続かないからこそ【黄金期】。

喉への負担が大きい発声法なので、
地声感やハイトーンはほどほどにしておかないと……。
特にB'zくらい売れてたらヤバイです。

実際、ヤバかったみたいですね。



B'z後期(?)。

強いのは「前」とか「やや前上」。

シムラとヤクザが表面上は和解した(仲良く喧嘩してる)状態ですかね。
ライブパフォーマンスは安定したかもですが、初期のB'zが好きな人には物足りないかもしれません。

肝心の「ウルトラソウッ!」でチェストがすっぽ抜けてますね。
以前だったら考えられない歌い方だと思います。



B'z完了期(最近?)

強いのは「後上」とか「上」。
ハイトーンでたまに「浅い前上」。

……。
……。

あ、あれ? B'z軍団に寄せてる?

うーん……。
私の稲葉さんのイメージは「中期」と「後期」の中間くらいで止まってたみたいですね。

中期の歌い方を省エネ化したもの、と言えなくもないのですが……。

声が前に出なくなってる。
後側で小さく歌ってるのでキレや凄みを感じません。
これは「稲葉浩志風」の歌い方だと思います。

妥協の産物ではなくて、発声改善の結果だとしたら、
前下が萎縮して、後上が代替(と誤認)している状態かもです。

稲葉さんみたいな天才超人でも年には勝てない、ってことなのでしょうか。
でもお客さんいっぱい入ってるし、みなさん喜んでるし。

じゃあもう、喉声ミックスでいいじゃん。

たぶんアレですよ。
喉声寄りの方が、日本人には親しみやすかったり……しないかな?

初期のにわかファンとしては、チェストボイスを見直すことを切に願います。

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