発声法分析:遠藤正明

人気アニソン歌手、遠藤正明さん。
宮城県石巻市のご出身。

ボイストレーニングはしない主義だそうです。
その理由は「歌は人に教わるものではないと個人的に思ってる」から。



1992年。若き日の遠藤さんの貴重なライブ映像です。
ハスキーボイスかつ声の響きが強烈なので判別が難しいのですが、
基点になっている発声筋群は「後下」のように聴こえます。

冒頭の

Don't Let Me Down

「後下⇔前上」「後⇔前」「後上⇔前下」

普通の歌手だとこんな感じに聴こえているはずなのですが、
遠藤さんは後下が強いので、こんな風に聴こえるかもしれません。

「後下⇔前上(弱)」「後下⇔前(弱)」「後下⇔前下(弱)」

後下にギアを入れっぱなしで、
色んな方向に軽くアクセルを踏んでるって感じでしょうか。

もしくは、
後下が他の箇所を引き寄せている、という感じかも。

2:30~

It's a love that lasts forever

ここはミドルボイスだと思うのですが、
後下が強めに入っているので「上⇔下」にも聴こえると思います。

というか、聴き様によっては何にでも聴こえます。
どこを聴いても「遠藤さんの声」なので、ゲシュタルト崩壊起こしそうです。

関連記事:「ヘッドボイスとミドルボイス、どっちにも聴こえる声?



こちらは2018年。最近の遠藤さん。
歌い方がこなれた? 個性(癖)が強くなった?
1992年の歌い方に比べると「泣きの要素」が増えている感じ。

Don't Let Me Down

「後上⇔前下」「後⇔前」「後下⇔前上」

語尾の処理に注目すると違いがわかりやすいです。

ゾーン ゼッミー ザーウン



こんな感じでザ行の空気感で突っ切ると、
ハスキー加減を掴みやすい(喉を痛めにくい)と思います。
ダ行は呼気や閉鎖が強くなりがちなので、ザ行の底を踏み抜かないように注意です。

強いのは相変わらず「後下」に聴こえるのですが、
上側の関与が強くなっているぶん声が明るくなっている印象です。
パワフルだけど哀愁もあって、ロックからブルース寄りになった感じでしょうか。

It's a love that lasts forever

ここも後下が優位ですけど、ヘッドボイスに聴こえます。
昔に比べて歌唱音域が上がったみたいなので、バランスが高音寄りになっているのかもしれません。

ハスキーで力強い。今も昔も「遠藤さんの声」。
進化でも劣化でもなくて、ご本人の好みの変化ではないでしょうか。

関連記事:「ハスキーボイスは作れる
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