歌唱法解説:back number/高嶺の花子さん

クセが強い! だが、それがいい!



曲の雰囲気や歌詞の内容に比べて随分と男らしい歌い方をしています。
フォールやしゃくりが多用されてますが、とちらも呼気の切り際(アクビの消え際)を下げるか上げるかの違いです。

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清水さんみたいに歌いたいなら、聴こえた通りに歌えばいいだけです。
完コピが目的ならフレーズの終わりに↓と↑を記入して練習してください

歌い出しからグリップが強い、というか基本的に呼気圧と声門閉鎖が強めのように感じます。
なんというか……腹の据わった男の暗い情念が見え隠れしています。
黒魔術じゃなくて睡眠薬を準備してそう、っていうか……。
そんな危険な雰囲気がします。だからこそ人気があるんだとも思います(?)。
女々しい歌を女々しい男が歌っても女々しいだけですからね。

鼻腔共鳴(前上)が少し強めでしょうか。
後下と良いバランスで拮抗してるので、声質自体も力強い印象です。
恋愛に関しては草食系かもしれないけど、やる時はやる男の声……つまり「喧嘩が強そうな声」です。
こういう曲を好む人が実際に歌うとなると「あれ?」ってギャップを感じるかもしれません。
発声の訓練をしていない限り、閉鎖や呼気の強さは性格や習慣が大きく関与するものだと思っています。
つまり怒鳴り慣れているか、いないかです。

例えば、コンビニの前でヤンキーがたむろしている場合……。
下を向いて通りすぎるのが声門閉鎖の弱い人です。
気にせず店に入っていくのが声門閉鎖の強い人です。

腕力に自信がある、荒事に慣れている、ナイフを隠し持っている。
理由はそれぞれあるでしょうが、ヤンキーは平均的に歌が上手いって意味でもあります。
実際、歌手やタレントは元ヤンキーが結構多いですよね。

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スポーツ経験も無視できないとは思いますが、バリバリの体育会系が好みそうな曲ではなさそうかな……って印象です。
スピッツを荒っぽくした感じというか……肉食系スピッツ……?
まあスピッツの草野さんは草野さんで、めちゃくちゃ喧嘩強そうな声なんですけどね。

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個人的な思い込みなんですが「喧嘩強そうな声」は「説得力のある声」とも換言できます。
喧嘩強そうな人って社会人になってもやっぱり怖いでしょ?
出世していなくても発言力は強いんですよね。内心ではみんなビビッてたりして。
法治国家とか関係ないんです。これは生物の本能的な部分ですから。

自分より強いものには恐怖を感じます。そして声には生体情報が含まれています。
恐れを知らないはずの闘犬のチャンピオンでも檻の中のライオンが低く唸っただけで尻尾を巻いて逃げ出すのです。
耳目を集める。他人を従わせる。それは笑顔の裏に滲み出る「聖性」だったり「狂気」だったりします。
そして売れている歌手の多くは男女ともに「喧嘩が強そうな声」をしています。

とりあえず、この曲を歌っていまいちサマにならない人は身体を鍛えてみるといいかもしれません。
コンビニ前のヤンキーくらいなら「ハッタリ」が通用するかと思います。





あ、まともな解説してない……。しかも歌ってもないし……。
ちょっと待ってくださいね……。
……。
……。
うろ覚えですみませんが、どうせなので「男の歪んだ情念」を匂わす程度に入れてみました。

back number/高嶺の花子さん



最後の「なるわけないか」がキーポイントだと思います。
我に帰る、正気に戻る表現なので直前の上擦った感覚をバッサリと切り捨てましょう。

以上、女々しい歌は男らしく歌いましょう(?)という講釈でした。


追記:

音程の適当さ加減が酷かったので歌い直しました。
初見とそこそこ歌い込んだ状態の比較として前の音源も残しておきます。
まあ、女声練習後……という違いでもありますね。

back number/高嶺の花子さん(2年後)

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