発声法分析:スティーヴ・ペリー(JOURNEY)

スティーヴ・ペリー(Stephen Ray Steve Perry)。
アメリカのロックバンド「ジャーニー」の元ボーカリストです。



哀愁を帯びた情報量の多い歌声。
単純に響いている範囲が広い。

偉大なロックバンドの稀有なボーカリスト。
もちろん楽曲自体も素晴らしいのですが、彼の声質に助けられていた部分も大きいと思います。

前下由来のハスキーボイス。
あるいは前下依存が原因の息漏れ発声。
強いのは「前下周辺」。発声状態としてはミドルボイス。

基本が前下で、音程が上がると前下の周辺に力を込めているようです。
前下の周辺とは……主に深い前下とか浅い前上ですね。
力が伝播して四方八方が連動して、響きが豊かになっている感じです。

エアリーなので軽めに聴こえますが、声の芯はほぼ前下付近にあります。
チェストが抜けたところ(ラスサビのhiEとか)はだいたい「後上」が優位になってます。

後上起点の「チェスト張り下げ」とも言えます。
真似してみると、喉がグイーンって感じで前に張り出してくるのでかなり怖いです。
バランスが取れれば意外と大丈夫。でも歌い終わったあとは、しばらくヒリヒリ(ピリピリ)するかも。

破滅に至る奇跡の歌声。

hiDでもhiEでもコレ系で出そうとするので、
この人は危ないし、魅力的なのだと思います。


ちなみに、
現ボーカルのアーネル・ピネダ(Arnel Pineda)は、
その歌声があまりにスティーヴ・ペリーに似ていたため、
ジャーニーのメンバーから声がかかったそうなのですが、



声は似ている、ように聴こえます?
声の響きは……違いますよね?

後下優位のヘッドボイスに聴こえます。
違いが分からない人はサ行やタ行の癖(位置)に注目してみてください。
2番冒頭の「Troubled times」がわかりやすいかも。

スティーヴ・ペリーの美味しいところが、ごっそり抜けているような気がするのですが……。
他ならぬジャーニーが選んでいるのだから、ジャーニーのボーカリストとしては問題ないのでしょう。



この人はスティーヴ・オージェリー(Steve Augeri)。
声はあまり出てないけど発声法としてはスティーヴ・ペリーに近いように聴こえます。



これはその数年後(?)。
歌を長く楽しみたいなら、スティーヴ・ペリーっぽい歌い方は控えた方が良さそうですね。



この人はジェフ・スコット・ソート(Jeff Scott Soto)。
判別が難しいですけど……前上⇔後下とか後上⇔下かな? 
サビが歌いにくそうなので、前下はあまり使ってないと思います。
声はわりと出てますが、全体的に野暮ったいというか、ちょっと暑苦しいですね。


うん。
アーネル・ピネダしかいない。


太く短く、細く長く、
どちらを選ぶか、分かれ道。

良いとこ取りは許されない。
何かを犠牲にしなければ、何かを得ることはできない。

一番の悲劇は分岐点や選択肢に気がつかないことです。
知らないうちに「細く短く」を選んでいたりして。


ボーカルやってる人は喉は大切に。
楽器やってる人はボーカリストを大切に。



これはこれで味ですけどね……。








この人は極楽とんぼの加藤浩次さん。
歌ってはいないけど、前下の使い方がスティーヴ・ペリーにそっくりです。
ミドル音域で語り続けてますし、

0:35~

でもずーっ(hiD)と続いてきた

0:55~1:20

hiA付近連発(極太)

2:10~

機(hiE)能してるのかな

現状でもすごいポテンシャルなんですけど、
もう少し声を軽くできたら、もうちょい後上に引っ張ってみたら……。
もしかするともしかするかも。お顔もちょっと似てますしね。

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