発声法分析:山田信夫(NoB)

ハードロック歌手の山田信夫さん。
別名、NoBさん。大阪府大阪市のご出身。
MAKE-UPのボーカルとしてメジャーデビューされました。

NoBさんといえばペガサス幻想。
ペガサス幻想といえばツカミですべてが決まる、と言っても過言ではありません。
Aメロで最高音(hiB)が出てくるのですが、そこの発声法がわりと特殊なのです。



強いのは前下と後上。
浅い前上を緩衝点や休憩所みたいに使っていることが多いようです。

だーきしめたーん

前上→後上→前下(強)

奇跡を【起くせ】

お “く” せ

前上→後上→前下(強)

鼻先から喉の奥に吸い込んで、
後上を甘引きしたまま、前下に勢い良く吐き出す感じ。
高音以外でもこの循環パターンが出てくるみたいなのでNoBさんの癖なんでしょうかね。

チェスト張り下げのヘッド系が抜けているverとも言えます。
ヘッド系発声筋群(後下+前上)の関与が弱いぶん、他の部分で伸展を稼ぐか張り上げて音高を上げる必要が出てきます。
発声感覚が曖昧だとライブで失敗したり、喉の負担が大きくなってしまうと思います。

上の動画だと一番は前下に踏み込めていません。
二番は後上に強く引き過ぎています。



これも一番はすっぽ抜け。
二番は下かな? 喉が締まってるかも。



これが成功。hiBなのに超太い。
リスクはありますが上手く決まるとめちゃくちゃカッコいいですね。

熱唱曲にも関わらず“あの”遠藤さんが歌いにくそうにしているので、
このフレーズ(発声パターン)の特異性がよく理解できると思います。




この人たちは喉締め。




この人たちはヘッドボイス。

音は余裕で出せても響きが再現できない……。
紹介した皆さんは「自分なり」に歌ってるだけかもしれませんけどね。

ペガサス幻想



10回くらい歌ってみましたが、
私の場合はチェストが入りすぎて破綻気味になるので、
すっぽ抜けみたいな失敗は一度もなかったです。

力加減さえわかれば、後はこっちのもの。
苦労して掴んだ技術や感覚は、気分や調子に左右されにくいのです。


追記:

素人(?)の女性に、張り下げタイプを発見しました。



キーは+2だと思いますが、かなり力強いハイトーンです。
ブレスの流れが特徴的なので、伸展方向や距離感のヒントになると思います。

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