発声法分析:桑田佳祐(サザンオールスターズ)

サザンオールスターズの作詞、作曲、ボーカル、ギター担当の桑田佳祐さん。
神奈川県茅ヶ崎市のご出身。エリック・クラプトンやボブ・ディランに影響を受けているそうです。



個性的な歌い方。ブルース系のハスキーボイス。
強いのは後下で、浅い(低め)の前上と拮抗しているように聴こえます。
ここぞ、という場面での後下は、ハードロック歌手並みの深度と強度です。

Wikipediaによると歌唱法は前川清さんがベース。
ボブ・ディランの声質に近づけるために、ウォッカでうがいしたり、枕に顔を押し付けて大声を出し続けたりしていたそうです。
つまりは「もともと発声が良い人」がしゃがれた声質を狙って、わざと声帯を劣化させたパターンです。

この「もともとの発声力」はウォッカで声帯を劣化させてもなお、還暦過ぎてもなお、
第一線のプロ歌手として活躍できるレベル、のはずなので。
モノマネの定番みたいな印象がありますけど、響きまでコピーするのは至難の業だと思います。

耳と喉が育っていない人が桑田さんの表層だけを真似してしまうと……。

・喉締め
・クネーデル(団子声)
・仮声帯依存

これらを併発させた結果「おじいちゃんの声」になります。
それを「良し」として歌い続けた期間が長いほど、声帯粘膜は劣化して、矯正も難しくなります。

憧れている人は多いと思うので「真似するな」とは言いませんが、
もともと発声が良い人レベルまで、土台をしっかり固めないと、寄せるものも寄せられない……。
まあ、多くの人は「寄せられてる」って勘違いしちゃうから、注意しても意味がないって話なんですけどね。

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