発声法分析:宇多田ヒカル

シンガーソングライターの宇多田ヒカルさん。
アメリカ合衆国ニューヨークのご出身。ロンドン在住。
幼い頃から音楽の英才教育を受けていたそうです。



こちらは2006年。

首を甘く絞められているような、
儚く切ないハスキーボイス。

基本は前上⇔後下(+後上)。
後上が優位になるほど儚く、
後下に踏み込むほど強かに、

冒頭のサビやメロは後上強め。
一番のサビはちょうど後くらい。
二番のサビは思いっきり後下。

こんな感じで、
伸展バランスが大きく変化して、声の響きもよく動いています。
声質にも歌い方にも余人に代えがたい個性を感じます。



こちらは2018年。

……。
えっ? 誰?

前上⇔後下。
補助に「下」が入ってるっぽい。

声に芯があって安定して聴こえますが、
何か大切なものを失っているような……。



2006年と2018年の違いは、
宇多田さんとミラクルさんの違いに近い。

意図的に歌い方を変えているのでなければ、
後上方向にトラブルがあるのかもしれません。

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