発声法分析:山田雅樹(FLATBACKER)

FLATBACKER(E・Z・O)やLOUDNESSに所属していたボーカリスト、山田雅樹さん。
北海道のご出身。中学時代は野球部。
ヤジの声が大きすぎて、他校の生徒から嫌われていたそうです。



日本人離れ、と称されるパワーボーカル。
歌い方の癖も強いけど、とにかく声がエグイ。

強いのは前上で、基本は「前上⇔後下」。
補助で前が入ってるっぽいのに、アゴ周りの力みで「前下」まで入ってくる。

眉間を寄せがちだけど、絶妙に脱力してるので声があまり上擦らない。
ロニー・ジェイムス・ディオのチェストをさらに強化した感じ。

1:00~

今に痛い目にあうわよ

ヘッドとミドルが同時に出てる……。
前上と前下が後ろ側を引きずってる、とも言える。

1:10~

エースオーエース

チェスト張り下げといえばチェスト張り下げだけど、
前上が強く入りっぱなしなので、眉間辺りの前上を前下まで引き伸ばしている感じかも?
眉間から鎖骨あたりまで「前側を力任せで閉じていく」イメージ。やばい。

2:00~

エースオーエース

一回目よりは後ろ側が頑張ってるけど、普通にやばい。



この音源のSOSはちょっと上擦ってるけど、
ヘッドに抜いてる感じじゃなくて、調子が悪くてミスってる感じ。

全体的にここまで「前側」が出しゃばってしまうと、
どんなに強靭な喉を持っていたとしても……。

いい加減にしなさいよ 今に痛い目にあうわよ



こちらはLOUDNESS時代。

声の張りに陰りが見られ、声帯の伸展が鈍い。
前下方向にトラブルがあるみたいですが、
十分パワフルに聴こえるので、どんだけ喉強いんでしょうか。

山田さんの声は好きですが、真似すると明らかにやばそうなので、
彼の曲は「ロニー・ジェイムス・ディオ筋群」で歌ってました。

つまりは、そこに、
チェストを増量すれば……。

ちょっと……寄せてみよっかな。
いい加減でやめとけば大丈夫でしょ。

FLATBACKER/HARD BLOW



試行錯誤をそのまま録音しているので、
何が気に入らなくて歌い直しているのか分析してみてください。
謎の呪文(デインジャ)は「ロニー・ジェイムス・ディオ筋群」の微調節です。

この後も30分くらい続けましたけど、
聴き直してみると「別に最初のでも良かったじゃん」って。
わりとそんなもんですよ。

私もやってみよう、って人がいたら(怖いので)
まずは準備運動代わりに、下記の音源に挑戦してみてください。

デロレンロック



前上は“強い”か“優位”な状態を保たなければならない。
なので、ちょっと加減を間違えただけで、バランスが崩れただけで……。
歌ってる途中に喉が上がってて、万が一その状態で張り上げてしまったら……?

歌を長く楽しみたいなら、リスク管理をしっかりと考えましょう。

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