発声法分析:秦基博

シンガーソングライターの秦基博さん。
宮崎県日南市のご出身。身長は178 cm。
キャッチコピーは「鋼と硝子でできた声」だそうです。



こちらは2008年の映像。

ハスキーでよく響く歌声。
田舎から出てきた素朴なアンちゃんって感じがします。
でも横浜育ちなんですね。

強いのは後下と前下。
上側もしっかり拮抗していますが、前上は相対的に弱い(使ってない)感じですかね。

高音域は前下強めのミドルボイス。
デイビット・フェルプスにちょっと近いかも。

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1:25~

もう一度しーん(前⇔後下)じてー(前下⇔後上)

しーん
で前下と後下が喧嘩して少し危険なエッジが鳴っています。

じてー
は前下と後上が綺麗に拮抗してクリアな響きが出ています。

これが「鋼と硝子でできた声」の由来でしょうか?
それとも喉が弱いという意味でしょうか?

どちらも魅力的な歌声だとは思いますが、
喉が弱いなら「しーん」みたいな発声は避けるべきでしょう。



こちらは2018年の映像。

喉を痛めた?
あるいは悪化した?

相対的に強いのは後上。その後上へも真ん中からしか引けなくなってる。
自信とか野心とか暴力性とか。下側の支えと一緒に、大切な要素をたくさん失ってしまったように聴こえます。

背負い投げが得意な柔道家が寝技だけで戦っている感じです。
とても苦しそうで悲しそうでもありますが、状態を考えればよく歌えていると思います。

喉や声帯の問題として二度と元には戻らないとしたら、これはこれで良いと納得するしかないでしょう。
元の発声法がわからない(を忘れている)状態だとしたら、この歌い方は悪あがきや逆効果にしかならないです。

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