レッスン記録:田中3号さん(3回目)

レッスン受講者は田中3号さん。
年齢は10代後半。身長は173cm。
中学生の頃はオク下マンだったそうです。

好きな歌手

たなかさん(ex.ぼくりり)
Fukaseさん
まふまふさん

ボイトレの目標

カラオケを上手に歌いたい

レッスン前(田中3号さんによる自己診断)

後下が入らない
後上が暴走している
喉声しか出せない状態で一年以上練習を続けた

今回の希望内容

なんとかして欲しい

まずは四方向の確認から。

前下……浅い。後上混同のおそれ。
前上……低い。前下混同のおそれ。
後上……詰まっている。前上混同のおそれ。
後下……詰まっている。意図せず震える。後上混同のおそれ。

全方向で混同の気配が見られますが大きなズレはありません。
一年以上の空白期間を考えると【まずまずキープできている】と思います。

四方向を軽く調整した後で、実際に歌ってもらうと……。

ぼくのりりっくのぼうよみ/Be Noble(田中3号さん)



緊張して歌い急いでいる。
レッスンで歌ったことのない曲。

その点を差し引くと、自己診断ほど悪くはないようです。
確かに後上は強めだけど後下も入っていますし……。

ただ、ご本人曰く「今は調子が良い」そうなので、
普段の自主練だと「喉声しか出せない状態」なのかもしれません。

四方向の調整をする前に、歌ってもらえば良かったですね(よくやるミス)。


現状では伸展と拮抗が物足りない。
歌唱に費やすエネルギーが足りない。

喉声ミックスに近い状態ではあるので、
寝ぼけ眼の筋群をしっかりと目覚めさせていきます。

門外不出の部分は440Hzのトーンでマスクしていますが、
田中3号さんと同じような状況にある読者さんは是非参考にしてみてください。

森山直太朗/さくら独唱(脱喉声レッスン冒頭)



0:00~

地声と裏声の音程差と音色差が激しい。
前側(特に前上)の伸展が足りていない。

0:20~

お手本より低く歌ってしまう(ほぼ無自覚)。
元オク下マンの受講者さんに付き物の特徴ですが、
田中3号さんは「その音域が出せないわけではないタイプ」です。

2回目のレッスンではCQCQの-3くらいまで迫っていた記憶があります。
その時私はCQCQを+2くらいで歌っていたような気がします。

改善法としては「集中してよく聴く」。
自主練期間は「録音して聴き比べる」。

根気強く!
少しずつでいいから!

すぐに治る(人もいるけど)ものではないので、
今回のレッスン中は「音域を上げよう」とする意識が感じられたら「まあ良し」としています。

1:45~

【き】っと

【き】が低い。音程も響きも低いです。
前上の低さ(重さ)が原因だと思います。

2:05~

後上で上げているので響きが違います。
前上の正位置を確認しつつ、私の【き】と合わせます。

2:18~

良い感じ。

2:38~

ちょくちょく声優の二又一成さんっぽい。
知らないだろうな、と思ってご本人には伝えていません。

3:00~

あえ【るー】

ここで活舌が溶けるのは後上が後下に主導権を渡さないから。
後下と拮抗するはずの前上が引っ込んでいるのも原因だと思います。

3:18~

いくつかの細かい混同をあやとりのように解いていきます。
わりと複雑な工程を経ていますが、受講者さんがそれを自覚することはないでしょう。
逐一説明しているとレッスンの時間がなくなってしまいますからね。

4:00~

後下の入り方が徐々に安定してきています。
歌としてはまだヘロヘロしてますけど、
バランスを整えるためには順序が大切なので、この時点で解決すべき課題ではありません。

先にネタバレしておくと……。

SEKAI NO OWARI/RPG(田中3号さん)



レッスン序盤→レッスン中盤→レッスン中終盤。
音高の違いだけではなくて、声にエネルギーが満ちていく様子が聴き取れると思います。
中終盤はなかなか力強い。怖いものなんてあまりなさそうな雰囲気があります(ありません?)。

田中3号さんご本人にも、事あるごとにこの音源を聴き返して欲しいです。
自主練中に後戻りしないように、自分の殻に閉じこもらないように。

レッスン記録(解説)はまだまだ続きますが、この先の様子は有料音源となります。
収益(決済手数料とプラットフォーム利用料を除く)の50%が田中3号さんのレッスン費用に充当されます。



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0:00~

さくら独唱の続き

後側の伸展を攻めていたところ、後上が暴走し始めたため、
フレーズを区切って、後上と後下のテンションを切り替えてみます。

0:40~

前上方向の力を強めて、くっきりと発声する。

2:10~

あえるーひびをー

地声系の伸展が足らずにキーが落ちる。
後上と後下の区別はついているが、連携が上手くいかない状態です。

2:50~

後上と前上の混同も見られます。
前上の正位置を確認しつつ、声をくっきりとさせていきます。

3:30~

まあ良し。
細かい調整は後回しにします。


場面転換


RPGでチェスト系の伸展

3:45~

お手本より低い。
声帯を縮めてそれっぽい響きを出そうとしていますが、
前下は一応入っているのでスルーしています。

4:28~

良い感じ。

4:40~5:10

声色が明るくなっていますが、チェスト要素は増えています。
練習効率が悪いなりに前下は鍛えられていたようです。
前上と前下の混同が良い方に転んだのかもしれません。

5:20~

喉声と区別がいまいちつかないと言うので、
田中3号さんの思う「喉声」で歌ってもらう。

5:40~

違いを認識できたようで良かったです。

5:50~

このへんはほぼミドルボイスですね。
趣旨とは外れてきましたが良い声だと思います。

6:20~

キーを上げてもしっかりと付いてきています。
前上の伸展量も増えています。

6:55~

前上方向に入ったままmid2G#(G#4)付近まで。
これは「良い破綻」です。


場面転換


RGPで張り下げ

7:00~

前下方向への伸展癖をつけて、
前上と前下の連携強化を図ります。

なあぁーい!

声が震えているときは、前上が後上にすっ飛びかけています。
私は高めのハードルを提示しているので、音が届かなくても問題ありません。

8:00~

良い感じ。

ファイターズメソッドで練習している人は3番の感覚でゆっくり(ねっとり)と発声してください。
しっくりこない場合は2番と5番で下方向にストレッチした後に、再度試してみてください。


場面転換


RPGで全体的なバランス調整

8:10~

レッスンの冒頭に比べると別人のように溌剌とした歌声です。

発声筋群の稼働率が高い状態なので、
あとはそれに見合うカロリーを引き出させる。

喉周りと精神のバランスを整える……。
心の枷を外していく工程です。

ここらへんは誘導や催眠に近い手法なので、
解説できることはあまりありません。

9:00~

田中3号さんは「気合だー!」が通じるタイプではなさそうなので、
裏声で出せる音はミックスボイスでも普通に出せますよ、みたいな路線で攻めてます。

10:05~

hiA#(A#4)。地声でも裏声でもない。
現状のクオリティはともかく、磨けば光る声だと思うので、
この声を安定して出せるバランスとテンションのまま、次回のレッスンを始めたいところです。


場面転換


後下方向の練習(外国人風に歌う)の後で
ぼくりりさんに寄せてみる

10:30~

歌手本人の特徴を誇張したものと、
プレーンに歌ったものを歌い分けて「それっぽい感じ」を探ります。

ファイターズメソッドの5番をやり込んでいる人は耳コピにさほど苦労しないはずです。

11:20~

プレーンに歌ってもそれっぽい雰囲気が出ています。
田中3号さんが目指す方向なので「結果オーライ」とします。

Before → After(田中3号さん)



この変化量と歌唱時に必要な「熱量」を忘れないでください。
短時間で得た発声感覚を長期間キープするためには「慎重さ」と「大胆さ」のバランスが重要です。

ゆめゆめご油断めされるな!

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