レッスン記録004:O.K.さん

レッスン受講者はO.K.さん。身長は171cm。

読者歴二年(?)。
四筋確認音源ご購入から二か月足らず。
前上(上擦った声)を忌避していたそうです。

好きな歌手

奥田民生さん
遠藤正明さん
宮本浩次さん
黒田俊介さん
大橋彩香さん
相羽あいなさん

ボイトレの目標

歌が上手くなりたい

今回の希望内容

声をくっきりさせたい
奥田民生/さすらい(O.K.さん)



どっしりとした重量感のある歌声ですが、
後下が強いところに「下」まで入っているので声の抜けがいまいちです。

上擦った声を嫌い続けていたメリットとデメリットが端的に現れている歌声といえます。
弊ブログの誘導を受けているとは思いますが、ご本人の資質によるところも大きいでしょう。

それでは四方向の確認。

前下……問題なし。
前上……問題なし。やや低い。
後上……問題なし。
後下……問題なし。

過去の無料相談では後側に引っかかりがあったのですが、
何やらコツを掴んだようで、かなり綺麗に発声できています。

四方向のバランスは整っている方だけど、
歌うとなると「鈍器」として使ってしまう。

好きな歌手に寄せるにしても、
自分だけの声を追求するにしても、
もっと鋭さや明るさが欲しいところです。

遠藤正明/勇者王誕生(前上調整)



※門外不出の部分は440Hzのトーンでマスクしています。

0:00~

拒絶反応を気にしながら、おそるおそる試してみると、
普通に出せてるし、声もクッキリしてる。

お話を伺うと、
前上を強く使えないのではなくて「強く使うのが怖い」みたいな状態だそうです。

O.K.さんには「下側偏重」というセーフティネットがありますので、
その点を考慮してレッスン強度を上げています。

0:25~

力加減の正解は状態によって変化しますので、
踏み込んだ限界や全身の負担(疲労感)を忘れないで欲しいです。

2:30~

基礎ができてない人は真似しないでください。
と書いても真似する人がいるでしょうから、
喉の無事を祈っておきます。なーむー。

3:22~

今回はスルーします。
ここで事故ったら残り時間がお通夜ムードなので。

4:42~

普段の練習強度はこのくらいで充分です。

休憩を適切に取って、
息が上がっている状態では歌わないようにしてください。

コブクロ/蕾(重量調整)



0:00~

重め(本人的にもキツイ)。

0:45~

軽め(一般的には重い)。

声の抜けが良くなりました。
高音はmid2F#(F#4)で限界だったはずが、
hiA(A4)付近までしっかり発声できています。

1:09~

舌を固めてる。
制御して使えば表現です。

無意識な癖になっていると、
発声筋群の連携を阻害します。

串田アキラ/宇宙刑事ギャバン(裏声系エッジ)



0:00~

前上が活性化しているはずなのに、裏声閉鎖が下擦っています。
喉を開くよりも閉じる(≠締める)意識が必要かもしれません。

0:30~

呼気を強めないと歪まない。
誰もが通る道です。

1:13~

火をつけ【ろぉ゛っ】

下に強く引いて、真ん中に負荷が集中。
オの母音は下と舌に注意です。

1:20~

前上⇔後下。
負荷を後方に逃がせてます。

1:50~

私の感覚としては裏声ですが、
真ん中を避けて、呼気の量が適切であれば、
地声感覚でも喉声感覚でも、大きな危険はないと思います。

奥田民生/さすらい(全体調整)



0:08~

調整後、前上が比較的高いところまで入っています。
声のガラガラは喉のダメージではなくて、
前上が後下に負けて、引き戻されている音だと思います。

0:16~

すぅ【こぉしぃ】

hiA(A4)。前上が頑張ってる。
O.K.さんの年相応の声を初めて聴いたような気がします。

上擦っているように感じるかもしれませんが、
この声を育てて行かないと下側の成長も頭打ちです。

引っ張り合ってこそ拮抗。
後下にも前下にも相応のライバルが必要なのです。

0:28~

みて【いぃっ】

後下から前上へ。
綺麗に真ん中を避けています。

0:45~

下が邪魔してます。
0:50~の響きと聴き比べてください。

1:11~

力んで下を固めないように注意です。

1:51~1:57

よく響いてる。
良いバランスだと思います。

3:08~

後下と下が入った重めの声。

3:13~

後下が重い声。

3:19~

後下がかなり重い声。

3:25~

小細工してる軽い声。

軽い。重い。明るい。暗い。
軽くても暗い。重くても明るい。

音色だけを気にするのではなく、
引力や重力(じみたもの)を意識して聴き比べてみてください。

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