レッスン記録014:なかはたさん

レッスン受講者はなかはたさん。身長は165cm。
読者歴二年以上(?)。独学スターターセットご購入済み。

バンドではギターボーカルを担当。
鹿児島県でギタースクールを主宰されています。

好きな歌手

エリック・マーティンさん
ポール・ロジャースさん
BBキングさん
近藤房之助さん
木村充揮さん
上田正樹さん
鈴木雅之さん
桑田佳祐さん

レッスンの希望内容

太くて柔らかい高音を出したい
Mr. Big/To Be With You(なかはたさん)



緊張している分を差し引かなくても、上手に歌えています。
気になった点は最高音hiC#(C#5)で裏に抜いているところ。
そこが太く出せるようになれば大丈夫だと思います。

なかはたさん「えー! 本当ですか!?」

本当です。
ただしそれは、かなりハイレベルな課題です。

四方向の確認。

前下……良い。強い。
前上……やや低い。前下や後上と混同。
後上……詰まっている。
後下……詰まっている。下との混同。

前側が強すぎて後側が負けてしまう。
位置を調整しても後側が浅く入る傾向があるので、
後下と下の混同には注意してください。

ミドル系の拮抗チェックは良好。
ヘッド系の拮抗は途中で後下が抜けています(後上優位)。
前下経由の引き方でとりあえずは解決しましたが……。

ミドル系の強靭さに、ヘッド系が付いていけていない感じなので、
バランスを取るためにヘッド系(前上と後下)を強化した方が良さそうです。

Mr. Big/To Be With You その1



※門外不出の部分は440Hzのトーンでマスクしています。

0:02~

やや後上。

0:08~

ヘッド系維持してるけど、少し詰まってる。
前上の正位置を確認しつつ、

0:16~

良い感じです。

0:25~

hiB以上のヘッドボイス音域は裏声に寄って当たり前なのですが、
それを良しとしないのならば、どれだけ前側(地声)で粘れるか、
どこまで前上や前下へ踏み込めるかの勝負になってきます。

0:31~

これだと少し強すぎる、けど、
強すぎる声が出せるようになったら、適度に後ろに抜けば良い。
最初から「絶妙」を狙ってしまうと「裏声の枠」を突破するのが難しくなります。
特にオリジナル歌手(エリック・マーティン)が経年で出せなくなったフレーズなら尚更です。

0:52~

これは前に踏み込んだ結果の破綻なので良い傾向です。
私に「合っている」と言われないと判断が難しいかもしれません。

1:50~

もっと*に**発声をしないと出ない。

少し迷ったけど、ハードロック系発声の極意をお伝えしました。
なかはたさんは基礎がしっかりしているので、まあ、大丈夫かなと。

2:10~

良し。

ちょっとずつ“そっち”に踏み込めるように頑張りましょう。
強く出せるようになるにつれて、練習時間(試行回数)は少なくなると思われます。
このへんは筋トレに似てますね。

レッスン中盤。
ファイターズメソッドの5番と6番を細かく調整。
後側の使い方が、より深く力強くなったみたいです。

なかはたさんはフースラー系のボイトレが原因で普通の声(?)が出せなくなっていたそうで、
ファイターズメソッドで練習を始めた当初は、1番試行時に吐き気を催すことがあったとか。

私の定義する「強い地声」はフースラー(国内)の枠外に存在するので、
拒絶反応が強く出たケースだと思われますが……。

発声してもらうと、今は3番(≠アンザッツの3番)が明らかに強い。
違和感を自力でねじ伏せ、そこまで鍛え上げた根性に感服いたします。

Mr. Big/To Be With You その2



0:11~

良い感じ。
前上が強く跳ね上がっています。
このフレーズに関しては一旦ストップ。

次のお題。
Stand by Meの冒頭をカッコよく歌いたい。

Ben E. King/Stand by Me



ん? 
カッコよく歌えてません?

なかはたさん曰く、
いつもより歌いやすくなっているそうです。
直前までhiC#を連発していたので、適度に脱力できているのかも。

一応原曲っぽく発声してみたりしたのですが、
最初に歌ったフレーズが一番カッコよく聴こえました。

憂歌団/胸が痛い



0:00~

素晴らしい。

なかはたさんは「本物と全然違う」みたいな認識でしたが、
これはこれで完成しているように聴こえますし、
自分なりで「カッコいい」のが一番良いと思います。

0:28~

前上を思いっきり強めれば原曲っぽくなりますが、
力むところを間違えると「喉が痛い」になっちゃうので注意です。

Mr. Big/To Be With You その3



まだまだ後上が邪魔していますが、
徐々に前上がキープできるようになっています。

焦りや緊張が後上の暴走に繋がっていることが多いので、
どっしりと構えて、少しずつでも着実に進んでいきましょう。

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