レッスン記録021:カポ太さん

レッスン受講者はカポ太さん。身長は167cm。
読者歴半年ほど。四筋確認音源ご購入済み。

バンドでボーカルを担当していて、
音楽活動歴は10年以上だそうです。

好きな歌手

TAKUYA∞さん
藤原聡さん
岩沢厚治さん
秦基博さん
KENTAさん
ASKAさん

レッスンの希望内容

方向性の確認
力強いミックスボイスが出したい
Mr.Children/常套句(カポ太さん)



後上(上側)に偏っており、
桜井さんと比べると地声が弱い印象です。

このバランスを今よりも前側や下側に寄せたいということですが、
カポ太さんの場合、しゃべり声で下側が使えているので、
そこまで苦労はしないような気がします。

四方向の確認。

前下……良い。
前上……後上とやや混同。
後上……良い。
後下……良い。

ミドル系の拮抗チェックは問題なし。
ヘッド系の拮抗で後上が邪魔してくる。←これが原因っぽい。

しゃべり声がバランス良いので、
そのまま歌えば良いタイプなんだけど……。
歌う、ってなるとどうしても声を作ってしまう、とのことです。

森山直太朗/さくら(独唱) その1



※門外不出の部分は440Hzのトーンでマスクしています。

普段は裏声っぽく歌っているそうですが、
地声(前下意識)で歌ってみると?

0:00~

お。
いきなり良い感じ。
歌声に深みが出ています。

0:14~

ファルセットはもう少し後上に任せて大丈夫。

0:26~

スムーズに地声に戻れない。

0:35~

ちょっと後側が強すぎる。

原曲っぽくてこれはこれで良いんですけど、
練習目的は後上の制御なので、もう少し詰めてみます。

0:54~

良い感じ……だけど、

1:03~

きみとーまたー【あえるー】

レッスンでさくら(独唱)を歌った人ならお馴染みの難所です。

1:21~

フレーズを分解。
正位置を確認しつつ、発声筋群を適切に使い分ける。

1:50~

良し!

この難所を乗り越えると、総合力がグンと上がります。
でも簡単ではないので、あまり何度も試行すると受講者さんに苦手意識を植え付けてしまいます。
そのへんの見極めが、私にとっても難しいところです。

森山直太朗/さくら(独唱) その2



冒頭の難所を突破した人には、ウィニングランみたいなもの。
前下入れすぎてフラットしてる部分がありますが、
地声に寄せたい段階なので「逆に良い」くらいです。

チェスト音域とファルセットの切り替えは特に問題なしと判断して、
ちょっと高めの曲に挑戦します。

Janne Da Arc/月光花 その1



まずは自分なりに歌ってみると?

0:00~

良い感じです。

0:30~

下の響きもしっかり出ています。

原曲よりも低いとはいえ(半音落ち?)、
綺麗に歌えていると思うのですが、
不満なところは?

カポ太さん「サビの高音が裏声っぽい」

Janne Da Arc/月光花 その2



0:28~

前下を少し足せば良い感じになる……はずなのに、
後上が暴走して前上と結びついてファニーな声に。

0:45~

前を意識しても上手く行きません。

1:16~

前段階から問題あり。

1:49~

かーけー【らー】

喉が後上に引き上がる。

カポ太さんは独学で張り上げの矯正を行っていたそうなので、
一定の音域から前側へ踏み込めなくなっているのかもしれません。

15分ほど試行錯誤の後、

1:58~

良し。

この「良し」は“とりあえず”は上出来。
長期のハイラリ癖を加味すれば“及第点”。

つまり、

二週間後も同じ状態だと“良くない”。
三か月後も同じ状態だと“全然ダメ”。

練習熱心なカポ太さんだからこそ、
方向性のズレに気をつけてください。

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