発声法分析:Lia

シンガーソングライターのLiaさん。
東京都のご出身。現在は香港にご在住。
4歳のときにクラシックバレエと声楽を習い始めたそうです。



声楽の素養が感じられるしっとりと澄んだ歌声。

強いのは後下。
バランスは前上(+前)⇔後下(+後上)。

0:20~

【め】ざめては
【ね】むいあさは

mid1F#(F#3)。女性には低めの音。
語頭で下を強めて、段階的に上に移行する。
見た目的にもわかりやすいですね。

えりぃ【の(ど)ぉ】たぁい【うおぉぅ】

オの母音で声が深くなる(後下が強くなる)。

きぃつぅく(ふ)ぅ しぃめぇ

語りかけるように、刻みつけるように。
子音と母音の距離感が絶妙で、歌詞がとても聴き取りやすいです。

0:35~

前上(+前)⇔後下。

前上と後下で綺麗に拮抗しています。
後下が優位なので、全体的なバランスは下がっている。

ほんの【すぅ】こ【しぃ】

ここのサ行は浅めの前上くらい。
位置が掴みやすい場面なので、寄せたい人は繰り返し練習してみてください。

0:41~

後下優位→前上ほんのり優位。

0:54~

前上(+前)⇔後下(+後上)。

後下優位の状態から前側に踏み込みつつ、後上に持ち上げる。
hiB(B4)とhiC#(C#5)のコンボですが、やや前側優位くらいのバランスで安定しています。
後下が強いのは大前提なんだけど、前上もしっかり粘ってますみたいな歌い方。

1:15~

さぁ【はっ】てく

hiD#(D#5)。

後下成分が豊かなので聴き取り難易度が高めですが、ここは一瞬だけ後上に強く引いてますね。
直前(サ行)の空気感を利用すると声質の変化が抑えられると思います。

1:30~

ボーカロイドになっても後下は強め。
ですが、ご本人の発声バランスを真ん中付近に閉じ込めた感じ。

2:03~

ね? 響きが全然違うでしょ?
屏風の中の虎と目の前の虎くらい違う。

Liaさんの歌声は明るく澄んだ響きに聴こえても、やはり生身のプロ歌手なのでボーカロイドとは次元が違います。
善かれ悪しかれ説得力のある歌声には、ある種の“獰猛さ”が備わっているものなのです。

まあ、本人が喉声系の発声だとボーカロイドと大差ない場合もあるんですけどね……。
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