発声法分析:マイケル・スウィート(Stryper)

Stryper(ストライパー)のギターボーカル担当、マイケル・スウィート(Michael Sweet)。
出身はカルフォルニア。身長は186cm。
5歳からギターを始めたそうです。



こちらは1989年(26歳)。

強いのは前上と前下と後下と後上。
バランスは前下(+前上)⇔後上(+後下)。

スタジオ版の超高音が再現可能な、数少ないメタルボーカリストの一人です(でした)。

0:33~

煌びやかで主張の強い中音域(hiCまで出てるけど)。
各筋群がしっかりと拮抗し、前から浅めの前下付近に響きが集まっています。

0:47~

words(ワー)で後上要素が強くなり声が遠くなる。
というより、基本位置がかなり前寄りなので遠くなったように感じる。

0:50~

でーえーええーい

hiC→hiA#→hiC→hiA#→mid2G#

前下を段階的に深くする。
ビブラートは後下の関与が強くなっています。

1:03~

choose

チョーズ寄りのチューズ。
ここも比較的後下の関与が強い。

1:15~

again and again

ォアッゲーレェンダッ

冒頭の小さな「ォ」が地味に重要です。
後下方向を反応させて、重心を低めに保ちましょう。

ゲェーッヘ(ハァアア)ェエエエエン

hiD#→hiF。

前下を二段階に深くする。
hiF到達時点で拮抗する後上はかなり上(真上)に寄ります。
綺麗に出せたとしても、喉への負荷は少し高めです。

1:24~

He is the

前下優位。

only

比較的前上が強い。
アンリー寄りのオンリー。

1:35~

ツッ   

前に軽く吐く(歯列で止める)。

モーロォ 

浅い前上から前下経由で後下まで引く。

スッ

前上に抜く。
バランス移行の繋ぎとして重要なので省略はしない方が良いです。

トゥレェエェエェエイ

後下から煽るように前下まで。

イクセアッティム

比較的前上と後下が強い。

トゥデェエエイ

hiC#→hiC。

ここも前下の働きが抑制的で、
ビブラートの部分は前上(+前下)⇔後下(+後上)に近いバランス。

2:45~

hiG#→hihiC。

1:15~の部分と同じような発声法。
この音域だとさすがに後上要素が目立ちますが、
下側もしっかり踏ん張っているので、響きの横幅をある程度保ったまま、上に突き抜けている感じですね。



こちらは2003年(40歳)。

キーを3つ下げても喉が上がっている。
下側(特に前下)の入り方が浅く全体的に鼻づまり声。
ビブラートが“伸び縮み”ではなく“震え”に変わっています。

発声のバランスが崩れているように聴こえます。



こちらは2018年(55歳)。

さらに半音下げても歌詞がブツ切り。
後上の一部の挙動に問題(おそらくは勤続疲労)が発生しているように聴こえますが、
マイケル・スウィートは張力負荷が高めなタイプなので、年齢まで加味すると「意外と維持できている」くらいの印象です。

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