発声法分析:ムッシュ吉崎・田中昌之(クリスタルキング)

クリスタルキングのボーカルのムッシュ吉崎さんと元ボーカルの田中昌之さん。
吉崎さんは山口県下関市のご出身。身長は170cm(?)。
田中さんは佐賀県伊万里市のご出身。身長は164cm(?)。
上京前は佐世保の米兵相手に演奏していたそうです。



ムッシュ吉崎さん。
強いのは後下。バランスは前上⇔後下(+下)。

田中昌之さん。
強いのは後上と前上。バランスは前上(+前+前下)⇔後上(+後下)。

お二人ともヘッド系の発声ですが、それぞれが個性的で、
ジャイアンとスネ夫くらい違うので「響きの被り」はそれほどない印象です。

0:18~

あいでぇ そぉらぁ【がぁ】

後寄りの後下から、語尾と語頭を繋ぐつもりで、

がぁ~お

で下に移行する(落ちてくる)。
こういう歌い回しが再現できていると個人的に「おっ」って思います。

お゛ぅれぇのぉ~むぅねぇにぃ~お

ここも同様に、粘っこく繋いでいきましょう。
癖が強いけどレガート唱法と言えなくもないですね。

0:28~

比較的前上が強い。
こころ、は一瞬だけ下を固めると似たようなニュアンスになるはずです。

【つな】いでもぉ~(ん)

mid2G×2。
「つ」は後付近で心持ち控えめ、「な」で前上強めで張り上げる。
「な」に余力を残すイメージだと詰まらずに発声できると思います。

0:37~

ひっ! とっつでぇーぇ

前上方向に力み過ぎ。
後下が「根を張りすぎ」とも言えます。

0:42~

こどぉー

前上から下へ。
少し田中邦衛さんっぽい雰囲気。

1:06~

おぅれっ とぅの あいをっ まっもっるためぇ

hiB連発。
あらかじめ後上に引き上げた状態から、前や前下方向に(気合で)踏み込むと似たようなニュアンスになるはずですが、
後上への負荷が大きいため、地声がスネ夫系(肝付兼太さん系)の人以外はあまり真似しない方が良いと思います。

おぅまえ(へ)っは

比較的後下の関与が強め。

【たぁっ】びだぁっちぃ

hiC。
前下に踏み込んでいると思われますが、
後上との力関係で「前」の響きになっています。

この後もハイトーンが続くので、
無理にフレーズを通すとキモ裏声になりがちです。

あっしぃいーった うぉおお(ほ)ぉう

みぃう しなあっ たっあ(は)っ

こんな感じに小分けにして、
それぞれが「大丈夫な声」かどうかを確認していくと良いでしょう。

1:18~

ほぅっほえみ わっすっれった かおなどぉぅ

みぃたっくわ なぁっいっさぁ

このへんは後上⇔それ以外に近いバランス。
すべての音が頭頂寄りの後頭部に抜けていくイメージ。

口角の力みも、後上への偏りに影響している感じですね。

1:24~

あぁーい(ぅ)おおっ

とりもどぉっ 【せぇぇえええぇーぇぃ】

ここも前下方向に踏み込んでいますが、響きは前上寄りの前。
後上と強めに拮抗できているので、潜在的には前下も弱くはないと思います。

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