発声法分析:カート・コバーン(Nirvana)

ニルヴァーナのボーカルとギターを担当していたカート・コバーン(Kurt Donald Cobain)。
ワシントン州アバディーンの出身。身長は175cm。
トレーラーハウスの中でハードロックを聴いて育ったそうです。



強いのは後下と前上。
バランスは前上⇔後下(+後上)。

0:30~

うぉんゆうぃりうぃっ

音色がこもるくらい後下に引き込む。
拮抗は強いんだけど前側が真ん中付近に位置しており「ちゅ」や「び」をはっきり発声できない。
後下が弱い(浅い)人は下の補助を入れると似たようなニュアンスが出せると思います(厳密には違う)。

じゃっ すまぁいらっく

後下の重心を後上に跳ね上げる(明け渡す)。
重りが抜けたぶん前上が鼻付近まで突っ張り、響きが明るく(軽く)なる。
跳ね上げるタイミングがずれるとヒーカップ気味に裏返る。
音色の変化が大きいのでわかりやすいですね。

0:42~

の゛(な゛)うりぃいせぇぁっ

hiA#。
前上がきっちり入ってバランスの良い拮抗。

あとはこの繰り返しですが、
再現度が高くて安定しています。

1:48~

よぉはいすくぅげぇ(ぉ)ん

後下優位。

寝起きでつぶやく感じ。
……もう朝か。まだ眠いな。
時計を見て一転。「遅刻だぁー!」くらいのメリハリを目指しましょう。

2:08~

よぉなとぅりげぇえ゛え゛え゛ん(?) 

ここは前上に踏み込むのですが、それより強く(深く)後下への沈降が起こっています。
力関係上前上が後寄りで拮抗して、すっぽ抜け気味のエッジが真ん中付近で鳴っています。
喉声の芯からは微妙に外れていますが、喉への負担は少なくない発声です。
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