歌唱時の呼吸:ブレスについて
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【ブレス位置がわからない】
この曲、どこで息継ぎしてるんだ?
無呼吸で延々と歌えるのは「ボーカロイド」か「アンドロイド」です。
息継ぎせずに人間は歌えません。どんな簡単な曲でも息が続かなければ早々に破綻します。
CD音源だとパンチ録音していたり、ブレス自体を編集していたりするのでよくあるギャップともいえます。
この手の小細工はロック・メタル系ボーカリストに多いような気がします。
フレーズの締めに来るハイトーンシャウトやロングトーンだけ別撮りだったりで、本人もライブでは再現できません。
そんなスーパーボーカリストは地球上に存在しないのですから、素人が生身で真似しようとすると喉に無理がいきます。
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本来のブレス位置を知るためには本人のライブ映像を見るのが手っ取り早いですが、ライブ映像がない場合は自分で勝手に決めちゃいましょう。
メロディーの展開や歌詞の繋がりも一応気にしつつ、歌いやすい場所で区切ったら良いと思います。
アーティスト本人も年代や調子によってブレス位置が変わっていたりしますからね。
適当、というか臨機応変に行きましょう。
【ブレス音が大きい】
ある程度なら「個性」の範疇ですが、あまり酷いと聴くに堪えません。
業界人の中にはブレス音が聴こえるだけで「未熟者」と判断する人もいます。
プロの音源でも聴こえるからといって、素人が真似していいってわけでもないです。
ありがちなのはマイクが近すぎる。いわゆる「マイクを食べちゃう人」です。
声量に自信がない人は仕方がありません。なるべく鼻呼吸を心がけてください。
声量に自信がある人は適度にマイクを離してください。
本当に声量があるのなら、それで問題はないと思います。
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自分のことをパワーボーカルだと信じている人に多いのですが……。
迫力のある歌声を出すためなら、ブレス音が目立っても仕方がないと思っている人。
確かに力強い歌声には力強い呼気が必要ですが、吸気をそこまで強くする必要はありません。
重要なのは呼気圧です。鼻から静かに吸って、いきなり張り上げることだってできます。
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息の流量を頼りにしている人は、発声の基礎が習熟していないことがあります。
脱力と緊張のバランスが取れていないと、呼気のロスが多くなりパワーもあまり出ないはずです。
だからこそマイクとの距離が近くなるんですけどね。